品質管理用語~不適合、デミング賞、部分最適と全体最適~
目次
品質管理用語を押さえよう!
本ページは、品質管理で使われる用語を集めています。知らない言葉があれば、本ページで覚えておきましょう!
デミング賞(でみんぐしょう)とは
デミング賞とは、総合的品質管理(TQM)において、優れた成果をあげた企業や個人を表彰する章のことを言います。日本工業界における「品質管理の発展」に貢献したアメリカのW.E.デミング氏からの寄付を契機として設立されました。
日本科学技術連盟により運営されるデミング賞委員会が選考を行っています。
部分最適(ぶぶんさいてき)と全体最適(ぜんたいさいてき)とは
部分最適ではなく全体最適で物事を捉えよう
部分最適とは、全体の中の一部や個人だけが最適な状態を優先する考え方を指します。一方、全体最適とは、全体の中の一部や個人だけが最適な状態ではなく、組織全体が最適な状態になることを重視する考え方を指します。
仕事においては、部分最適を追求するだけでは全体最適にはなりません。例えば、いくら工場で製品をたくさん製造しても、営業部門が注文を取ってくることが出来なければ、造った製品が売れ残り、廃棄になってしまうこともあります。工場では、造れる分だけたくさん造ると、仕事量が増え生産性も上がりますが、会社全体で見ると最適にはなっていません。これが部分最適です。
本来は、注文の状況を見ながら、工場ではそれに見合った分を予測し、製造し供給する姿を目指していかなければいけません。この視点が全体最適となります。
仕事においては、気付かないうちに、どうしても自分の都合で物事を見てしまうことがあります。よく部門間の壁や衝突が発生してしまうのは、お互いが部分最適の考えで仕事を進めてしまうことが一因です。
全体最適で見るために必要なこと
部分最適を改め、全体最適で物事を進めようとすると、どうしても反発や障害が生じてしまいます。それらを克服するためには、何を行なったらよいでしょうか?
それは、社内の意識改革です。反発や障害の大部分は、管理者や担当者が部分最適の考えに偏っていることが原因の1つです。限られた経営資源で、自部門のパフォーマンスを最大化させる責任を担う管理者や担当者が、自分たちの部門が最適になる考えや行動をしてしまうのは、ある意味当然かもしれません。
しかし、あくまで会社として利益が第一です。特定の部門だけが最適な状態になっても、全体として最適になっていなければ、何の意味もありません。従って、全体最適を優先するという意識を、管理者はもちろん社内の全員が持つように促していくことが求められます。
そのためにも、トップの強いリーダーシップは欠かせません。なぜならば、全体最適への取り組みは、過去のやり方を大きく否定することも少なくないからです。過去を否定してでも全体最適へ向かう意思をトップ自らが発信しなければ、壁を乗り越えることはできません。トップのぶれない意思があって初めて、自分たちの都合よりも全体最適を優先する良き風土がつくられていくことになります。
考えてみれば当然のことでもある全体最適。しかし、実際には部分最適になってしまっていることが多いのも実際です。気付かないうちに部分最適の視点に陥ってしまわないように、全体最適の視野で物事を見ることが出来ているか、日頃から意識的に自問自答することが大切です。
不適合・不適合品とは
品質管理においては、「不適合」「不適合品」という用語が度々出てきます。不適合・不適合品の定義と不良品との違いについて確認しましょう。
このページでは、品質管理に重要な用語である「不適合」について、用語を確認します。
不適合・不適合品の定義
不適合とは、造った製品やサービスが「規定要求事項を満たしていないこと」を指します。
そして、不適合品とは、「1つ以上の不適合のあるアイテム」のことを言います。
つまり、部品などを加工し、検査を行なった際、規格等の基準を満たしていないものが“不適合”で、その基準を満たしていない品物が“不適合品”であると定義されています。
不適合と不良の違い
なお、不良品という用語もありますが、不良品は「用途を満たさない品物の全般のこと」、不適合品は「基準を満たしていない品物のこと」を指し、現在では”不適合”という呼び方の方が主流となっています。
不良品は、用途を満たさない品物の全般のことを指します。
不適合品は、基準を満たしていない品物のことを指します。
現在、ISOでは、「不適合品」という表記のみが使われており、基本的には、「不適合品」という呼び方をするということを覚えておけば差し支えありません。
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