カイゼンベース / KAIZEN BASE

モノと情報の流れ図(VSM,Value Stream Mapping)とは?

藤澤 俊明

藤澤 俊明

代表取締役
シニアコンサルタント

トヨタ自動車の生産技術部門を経験後、製造系大手コンサルティングファームを経て2015年にカイゼンベース株式会社を設立。国内外の製造業を中心とした人材育成・改善支援に尽力中。

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モノと情報の流れ図とは?

モノと情報の流れ図とは、その名の通り、「モノ」と「情報」の流れを1つの図に表したものです。
英語ではValue stream mapping(略してVSM)と呼ばれています。直訳すると「価値の情報流れ図」になりますね。

本ページでは、モノと情報の流れ図の概要について確認していきます。

製造における3つの流れとは

どのような流れで製品が生産され、お客様へ納められている?

それでは初めに、どのような流れで製品が生産されお客様へ納められているのか考えてみましょう。

まずは顧客から注文が入って、会社(工場)が受注することで全ての物事が動き出します。内示をもらい、後に実際の生産量が決まるというパターンもありますね。
製造を行うためには、生産量に合わせて材料を仕入れないといけません。そこで、サプライヤーとやりとりが始まります。
そして、届いた材料は加工されるまで一時保管されます。
その後、生産指示に合わせて、上流工程から下流工程へと、どんどんモノが加工され流れていき、最終的には、完成品がお客様のもとへ届けられていくのです。

さて、この生産の流れは、3つの流れに分類することができます。
どのように分類できるでしょうか?

製造における3つの流れとは

製造における”人”の流れ

1つ目は、人の流れです。
人の動きは、標準作業、作業手順によって定められています。

製造における3つの流れとは(人の流れ)

製造における”モノ”の流れ

2つ目は、モノの流れです。
モノの流れは、かんばん等の指示によって定められています。

製造における3つの流れとは(モノの流れ)

製造における”情報”の流れ

3つ目は、情報の流れです。
情報の流れは、お客様の情報に基づいて関係者へ発信する内容等が該当します。

製造における3つの流れとは(情報の流れ)

これらの3つの流れは、製品をお客様へお届けするために必要不可欠なものとなります。
まずは、この3つの流れが存在することを理解した上で、「モノと情報の流れ図」について確認していきましょう。

モノと情報の流れ図の定義

Value Stream Mappingとは?

それでは次に、モノと情報の流れ図とは何かを確認しましょう。

「モノ」と「情報」の流れ図は、英語ではValue stream mapping(略してVSM)と呼ばれており、直訳すると「価値の情報流れ図」になります。
つまり、「物」の流れと、「情報」の流れを一つの図にまとめたものです。
どこからどこへ物が動き、情報がどこからどこへ移動していくのか、そして付加価値、非付加価値工程を明確にした図のことを指します。

モノと情報の流れ図では、情報の動きを示す矢印と、モノの動きを示す矢印とを分けて記載し、全体の流れを見える化します。

「モノ」と「情報」の流れ図 ⇒ 価値の情報流れ図

全体の流れの範囲は?

ちなみに、全体の流れとはどこからどこまでの範囲を指すのでしょうか?

1つの製品において、本来は製品に関わる多くの工場、複数の企業の全てを辿る必要があります。
しかし、複雑になってしまうことで、取り掛かりが出来ない状態になってしまってはいけません。

従って、まずはすぐに取り掛かれるように、構内物流の範囲から取り掛かることをお勧めします。

全体の流れとはどこまでの範囲

ステップバイステップで進めよう

進め方のイメージとしては、まずは分かりやすい構内物流の範囲から、モノと情報の流れ図の作成を開始します。
繰り返し制度を高めていくにつれて、素材からエンドユーザーまでを含めた完全なマップへと範囲を拡大していくことが現実的です。
最終的に目指す範囲を認識した上で、ステップバイステップで作成を進めていくようにしましょう。

VSMで最終的に目指す範囲

作成は1枚の紙に

モノと情報の流れ図の作成の前提条件を確認します。

1つ目は、1つの製品群に関して図示することです。
全ての製品の流れを描いてしまうと、複雑になり過ぎてしまうため、製品群毎に作成を行います。

2つ目は、1枚の紙に全てまとめて描くようにすることです。
細かくなり過ぎてしまいプロセスの全体像が見えなくなることを避けるため、1枚の紙に収まるように作成します。

時間を掛け過ぎず、誰でも作成出来るのが、モノと情報の流れ図(Value Stream Mapping)だと覚えておきましょう!

時間を掛け過ぎず、誰でも作成出来るのがモノと情報の流れ図(Value Stream Mapping)

モノと情報の流れ図と”改善”

改善活動のキホン

それでは次に、モノと情報の流れ図と“改善”について確認していきます。

まずは、改善活動のキホンを振り返っておきましょう。
改善活動は、「問題に気付く」 という問題意識と、「自身にもその責任の一端があると考える」 当事者意識を持ち、自主・自律的に行動することで、経営成果につなげる事です。
改善活動では、問題を改善するという行動を行ないますが、問題を見つけることで改善に繋がり、経営成果を獲得できます。そして、改善をすることで、更に次の問題に気付くという意識改革が促されます。

このサイクルを繰り返し回していくことで、経営成果、意識改革を継続的に獲得していくことこそが改善活動です。

モノと情報の流れ図と“改善”

現状把握と現状分析

では、問題に気付いたら改善を行いますが、その際にはまず何から始めたらよいでしょうか。

まずは問題に対してどこまで良くするのか改善の計画を立てます。そして、問題の要因解析を行います。
その後、対策案の検討・決定した対策を実施し、対策の効果確認を行い、定着させる仕組み作り・反省と更なる今後の計画……というように、PDCAを回していきます。

さて、実はこのステップ、抜けているものがあるのは分かりますか?
実際は、このステップを踏む前に行うべきことがあります。

それは、現状把握、現状分析です。
現状把握、現状分析は、問題解決しようとする現状の状態を正確かつ客観的に掴み、要因解析の手掛かりを掴むステップです。現状把握、現状分析を的確にできないと、この後の要因解析や改善が上手くいかないため、非常に重要なステップとなります。

問題に気付いて改善を行う⇒まず何から始める?

現状把握・現状分析のための手法

では、どのように現状把握、現状分析を行えばよいでしょうか?
現状把握、現状分析する方法としては、次のものが挙げられます。

1つは、QC7つ道具です。データを収集し、グラフを使用して分析や見える化を行う手法です。
もう1つは、新QC7つ道具です。言語データをフローチャート等を利用して分析を行う手法です。

これらの手法を活用して現状把握、分析した結果をもとに対策を進めていきます。

このような方法で策定される対策は、作業方法の変更、作業順序の変更、モノの配置の変更等の人の流れに重きを置いた対策が中心となります。
人の流れの対策はもちろん大切ですが、場合によっては部分最適になってしまうこともあります。

現状把握・現状分析する方法としてQC7つ道具、新QC7つ道具

全体を見ることが改善につながる

部分最適では本当の問題を見失う危険性があり、改善しても全体最適にならない場合もあります。
従って、改善を行う上では部分ではなく、全体を見なければいけません。

では、何を見れば全体が見えてくるのでしょうか?
人の流れは、モノが流れてくることにより発生します。そして、情報が流れてくることでも人が流れます。さらに、モノが流れれば情報が更新され新たなモノが流れて人も流れます。

つまり「モノ」の流れと「情報」の流れを知ることが全体を知ることになるわけです。
そして全体を俯瞰し効果的な改善を行うツールが「モノと情報の流れ図」なのです。

「モノと情報の流れ図」全体を俯瞰し効果的な改善を行うツール

情報の整理とマップ化の進め方

VSMの作成を始める際のポイント

まずは情報を整理しよう

それでは、VSMの作成を始める前に意識すべきことを確認していきましょう。
VSMを作成する前に、まずは情報を整理することが重要になります。

収集する情報は、全体を網羅していることが大切です。部分的な情報収集では、改善の結果が部分最適になってしまいます。

部分最適では、上流の工程での変化に対応できず、それまでの改善努力が、全部ムダになる可能性があることに注意が必要です。
せっかく改善しても後々ムダになってしまうようなことは、極力避けていきたいですよね。

そのためには、工場やラインの様々な側面から、全体を俯瞰して分析を進めていくことが求められます。
特に人、品質、在庫、リードタイム、システム等の側面を見ていくことが大切となると覚えておきましょう!

情報の整理

全体を把握することのメリット

全体を把握できれば、様々なメリットを得ることができます。

例えば、部分的にしか見えていない場合よりも、よりボトルネックとなっている工程を把握しやすくなります。
すると、何から手を付けていいか分からない状況が解決され、問題解決する順番が明確になります。
また、誰もが関係性を理解できるようになり、現状の共通認識を得やすくなります。

そのことで、チーム全体のコンセンサスを得られた上で、改善を進めていくことができます。
このことからも、改善を行う上で、モノと情報の流れ図の活用は非常に効果的と言えるのです。

全体を把握することのメリット

続きは動画で学習しよう!

本ページでは、モノと情報の流れ図の定義や活用のメリットについて確認を行いました。
具体的なモノと情報の流れ図(VSM)の作成方法は動画で解説しています。
無料会員登録を行うと、Lesson2までお試し視聴することが可能ですので、是非登録して学習を進めてみましょう!

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使用用途 社内教育や発表資料作成における作業効率化等
ファイル形式 PDF
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モノと情報の流れ図(VSM)の詳細を学ぶ!学習コースのご紹介

VSM(Value Stream Mapping)の具体的な作成方法を、動画や理解度テストにより学習することが可能です。詳細の学習や実践でのご活用をご検討の方は、是非ご活用ください。

学習コース「k2-52:モノと情報の流れ図(VSM)~基本と作成方法編~」

VSMの概要と作成手順を学ぶことができる学習コースです。

学習コース目次

Lesson1:モノと情報の流れ図とは(10:53)
Lesson2:情報の整理とマップ化の進め方(15:31)
Lesson3:集めた情報をマップ化する(15:16)
Lesson4:具体的な情報を追加しマップを完成させる(10:48)

学習コース情報

学習コース区分:法人向け限定コース(個人向けコースではありません)
受講対象者:全部門(係長/次長・課長)
動画再生時間:約53分
想定学習時間:約1時間51分
教材の構成:動画コンテンツ4ケ,理解度確認テスト 各章5問,総合テスト 全20問

本コースは法人向け限定コースですが、
「Lesson1:モノと情報の流れ図とは」の動画はどなたでもご視聴頂けます。
「Lesson2:情報の整理とマップ化の進め方」の動画は無料会員登録を行うことでご視聴が可能になります。

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