5S活動の改善事例集(在庫管理、工具置き場等)



5S活動の改善事例集【学習ナビ】では5Sの事例を紹介しています
5S活動は、製造業のほとんどの会社で行なわれていると言っても過言ではありません。5S改善のアプローチも多岐に渡ります。しかし、なかなか十分なレベルで実施できていなかったり、ただの整列や掃除だけの活動にとどまってしまっている会社も多いのが実情です。
本ページでは、5S活動の改善事例を紹介しています。紹介している他社事例を参考に、良いものは真似をしつつ、自社流に合わせ込みながら改善を進めていきましょう!


消耗品在庫管理の改善事例
まずは、「消耗品在庫管理の改善事例」を紹介します。かんばんを使い、消耗品の在庫管理を行った事例です。
この事例を動画で学ぶ
改善前の状態は・・・!?
改善前の状態は、消耗品の保管ルールがなく、職場内の様々な場所に、規則なく置かれている状態でした。
その結果、過剰に在庫となったり、今すぐ使いたいモノの在庫が無かったりしていました。
過剰在庫、欠品を繰り返す、起こりがちなケースです。
消耗品の発注・在庫管理の考え方
改善に当たり、次のようなオーソドックスな発注・在庫管理の考え方を導入しました。
まず、2列用意し、「現在使用中の列」と「次に使う列」に区分します。
現在使用中の列が使い終わったら、隣の列を使います。この時、先頭に付いたかんばんを外します。
外したかんばんは、かんばんポストに入れ、例えば毎日13時に回収する等のルールを決めます。
回収されたかんばんは、発注担当者にて発注業務を行ないます。
この時、発注業務は、発注かんばんに書かれた情報だけで完結するように、部品名や発注先、型式等の必要な情報を記載しておきます。
そして、発注されたモノは、使用中の列が無くなる前に納入され、次に使う列となります。
なお、発注量(定量)は、かんばん処理リードタイム、発注リードタイム、期間内使用量、安全在庫量から決定します。
このような管理を行なっていれば、この写真のように、いつの間にかこんなに在庫が溜まっていた、ということは絶対に起こりません。
この管理方法は、消耗品だけではなく、備品、事務用品、設備部品等でも同じように行なうことが可能です。
それでは、どのように改善を行なったのか、確認していきましょう。
改善の詳細
まずは、かんばんの活用です。
「おかわりカード」という名称を付け、
消耗品の名称、発注型式、発注量を記載しています。
おかわりカードの運用は、次のように行なっています。
・1列が無くなったらもう1列を使い始める。
・その際、おかわりカードが外れ、ポストへ入れる
・ポストは1日1回回収し、発注処理を行なう。
このような管理により、欠品や過剰在庫をゼロにしています。
また、このように、消耗品の取出し手順を明示し、誰でも同じルールで取り出し、在庫管理が出来るようになっていることもポイントです。
消耗品だけではなく、備品、事務用品、設備部品等でも真似できる事例ですね!


工具置き場の2S改善事例
次は、国内の鋳物品製造会社様からご提供頂いた「工具置き場の2S改善事例」を紹介します。3定管理を行った、工具置き場の2S改善事例です。
この事例を動画で学ぶ
改善前の状態は・・・!?
改善前の状態は、このように、棚の上が記入台となっていたり、モノの置き方も、3定基準が全く無い状態でした。
拡大写真をご覧ください。この状態では、どこに何があるか、どこに戻したらよいか、全く分からない状態ですね。
何が、どの場所に、何個あるのが正常な姿か、3定基準づくりが必要であることを認識し、改善を行なっています。
作業台・工具置き場を新人でも一目で分かるように改善
改善後の状態を見てみましょう。
棚を撤去し、記入台と工具置き場を分け、3定管理を実施しています。
拡大写真を見てみましょう。
このように、各工具の置くべき場所に、写真を表示することで、正常な状態を誰でも分かるようにしています。
これならば、新人でも一目で分かるようになっていますね!
この状態が乱れない為の仕組みづくりも合わせて出来ていれば、バッチリです。


検査室内の2S改善事例
次は「検査室内の2S改善事例」を紹介します。3定管理や区画整理、仕掛品の状態表示のルール化等を行ない、検査室内が劇的に改善された事例です。
この事例を動画で学ぶ
改善前の状態は・・・!?
まずは、改善前の状態を見てみましょう。
- 直置きされた仕掛品
- 乱雑に複数のモノが置かれているスペース
- 整頓が行き届いていない作業台や、測定治具置き場の表示がない状態
- 検査前なのか、検査後なのか、状態が分からない仕掛品
- 何を置くか決まっていない作業台
- エリア全体として、置き場の区画が無い状態
このように、改善の余地が沢山ある検査室は、どのように改善されたのでしょうか?
改善結果を確認してみましょう。
改善後はスッキリ!
こちらが、改善後の検査室の状態です!
気持ちいいくらい、スッキリしましたね!
お見事です!
それでは、詳しい改善内容を確認していきましょう。
改善の詳細(1) 床面の改善
詳細の1つ目は、床面の改善です。
改善前は、床の塗装剥がれが多数存在していました。
また、区画線がないことで、好きな所にモノを置いてしまう状態でした。
それが、このように、床の塗り直しを行ない、区画を決め、白線を引くことで、ここまで劇的に変化しました。
改善の詳細(2) 清掃用具置き場の改善
詳細の2つ目は、清掃用具置き場の改善です。
改善前、清掃用具箱の中は、このように乱雑に置かれており、用具自体が汚れていたり、必要な本数が不足していたりしました。
それを、このようなオープンな清掃用具掛けを作成し管理する方法に変更しています。
不足していた用具も買い足しし、交換ルールの設定も行なっています。
また、清掃用具の管理者も明示することで、維持管理のルールも構築出来ています。
改善の詳細(3) 測定治具置き場の改善
詳細の3つ目は、測定治具置き場の改善です。
改善前は、測定治具が乱雑に置かれており、担当者やメンテナンスルールも不明確でした。
そのため、必要な測定治具を直ぐに探すことは出来ず、探すロスが発生していました。
それを、この写真のように、ケースを統一し、治具を整理し明示を行ないました。
管理担当者も設定し、更に、対応機種一覧表を作成し、誰でも直ぐに取り出せる仕組みを構築しています。
改善の詳細(4) 仕掛品の状態の見える化
詳細の4つ目は、仕掛品の状態の見える化です。
改善前は、目の前の測定対象機材が、検査済みなのか、検査前なのか、状態が「担当者にしか」分かりませんでした。
そのことにより、突発的な休暇や、応援者等が入った時、検査モレのリスクや、確認の為のムダな時間の発生リスクが存在していました。
それを、このような状態を表す札を作成し取り付けることで、誰でも一目で状態が分かる仕組みを構築しました。
また、札の取り扱いルールも掲示し、誰でも同じ管理ができるような工夫も出来ています。
改善の詳細(5) ファイル棚の改善
詳細の5つ目は、ファイル棚の改善です。
改善前は、規則が無い状態で保管していたので、直ぐに見つけられない状態でした。
更に、必要資料がバラバラに置かれているので、探すのに余計時間が掛かる状態でした。
それを、このように、種類ごとに整理を行ない、斜めのラインテープを貼ることで、必ず元の位置に戻ってくる仕組みを構築しました。
また、新規に発生する資料に対するファイルメンテナンスについては、週末の5S時間の中に組み込むことで、維持管理を図っています。
改善の詳細(6) 工具置き場の改善
詳細の6つ目は、工具置き場の改善です。
改善前は、明確な工具置き場が決まっておらず、室内のあちらこちらに散在していました。
それを、このような姿置きの工具掛けを作成し、作業時に誰でも直ぐに必要な工具を取り出せるようにしました。
また、作業台毎に工具を色分けし、工具が他の作業台に混ざって紛失しないような仕組みも構築しています。
改善の詳細(7) 掲示板の改善
詳細の7つ目は、掲示板の改善です。
改善前は、必要か不要かすぐに分からないものが沢山乱雑に掲示されており、必要な情報が読み取りづらい状態でした。
それを、このように、必要な情報だけに絞り、項目ごとに掲示場所を指定しました。
必要な情報だけが掲示されることで、情報を見逃さないようになっています。
以上7つの改善により、検査室内が劇的に良くなった事例でした。
観葉植物も設置し、リラックスできる環境づくりも良いですね!
仕組みやルールの整備、定着度チェック等を行ない、この状態の維持をしていけるといいですね!
カイゼンについて学ぶ!学習コースのご紹介
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Lesson6:PDCAサイクルとは(6:25)
Lesson7:トップダウンとボトムアップ活動(8:14)
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