報連相とは?報告、連絡、相談のポイントや指示を受けるコツについて解説
目次
報連相(ホウレンソウ)とは?
自己の成長を促す報連相
報・連・相(ホウレンソウ)とは、報告、連絡、相談のことを言います。
仕事を円滑に進め、仕事力を高め、自己の成長を促す為のコミュニケーションスキルです。仕事を円滑に進めるためには、報連相によるコミュニケーションのスキルが欠かせません。
報連相は、社会人としての基本中の基本のスキルです。
本ページでは、報連相とは何か、報告、連絡、相談それぞれのポイント、命令や指示を受ける際のコツについて解説しています。
報連相の言葉の意味
報告・・・自分が与えられた仕事の結果や進捗状況を伝える事。
連絡・・・仕事上の事柄について、事実や簡単な情報等を関係者へ伝える事。
相談・・・自分がある事柄について、どうしようか迷った時に、上司や先輩・同僚からアドバイスやヒントをもらう事。
仕事がデキる社員は、この報連相を的確に行なうことにより、信頼を獲得しています。
報連相は、自分の仕事力を高め、自己の成長を促す為にも必要不可欠な手段です。
- 何か普段と違うこと(異常)があった時等には、しっかりと報告をする
- 関係者に漏れなく情報を伝えたい時等には、必要なタイミングで連絡をする
- 仕事の進め方に迷った時等には、遠慮なく相談をする
このことを意識し、普段の仕事の中で報連相を的確に行なっていくようにしましょう。
なぜ報連相が必要なのか
失敗の原因
まずは、「なぜ報連相が必要なのか」 についてです。
早速ですが、失敗の原因は、どこにあるのか考えてみましょう!
実は、失敗の原因の80%は、他人との意思疎通がうまく行かなかった事にあると言われています。
例えば、
- 伝える情報の内容が不十分である
- 情報の伝え方が不適切である
- 情報を伝えるタイミングが遅すぎる・早過ぎる
- 情報の流れがスムーズではない
といったことから、失敗は発生するのです。逆に言うと、相手との意思疎通さえ確実に行なうことが出来ていれば、失敗はグッと減らすことが出来るということです。
そして、今回学習する「報連相」は、意思疎通を取るための代表格なのです。
報連相が不十分だと・・・
報連相が不十分だと、どんなことが起こるでしょうか。
作業や業務の進行の遅れが発生します。
つまらないミスやトラブルが増加してしまいます。
結果的に、業績が上がらないことに繋がってしまいます。
さらに、そんな職場で働いている社員も、仕事がつまらないという気持ちになってしまったり、上司と部下の関係性が悪化してしまい、風通しが悪い職場になってしまいます。
報連相は、体を流れる血液と同じ
例えるとするならば、報連相は、体を流れる血液と同じなのです。
途中で詰まったり、流れが悪くなったり、血液が汚れてしまったりすると、
体は機能しなくなる、つまり会社が機能しなくなってしまいます。
会社が機能しない限り、本来の会社の目的である、「社員を幸せにすること」や、「社会へ貢献すること」がままならなくなってしまいます。そうならないように、報連相を流れるように行なっていかなければならないのです。
報告、連絡、相談とは
報告とは?
まず、報告とは、「自分が与えられた仕事の結果や進捗状況を伝える事」を言います。
主な報告の種類としては、結果報告、経過報告、トラブル報告があります。詳細については、第3章で確認していきますが、ここでは、最も重要なポイント、報告は、義務であることを確実に認識するようにしましょう。
報告は義務ですので、必ずやらなければいけません。報告が出来ていないことは、義務を果たせていないことと同じことです。
ちなみに、みなさん普段何気なく書いている「日報」、これは日常の報告ですので、義務なのです。提出していない方は、義務を果たせていないことになります。
連絡とは?
次に、連絡とは、「仕事上の事柄について、事実や簡単な情報等を関係者へ伝える事」を言います。
連絡のポイントは、
- モレ無くスピーディーに行なうこと
- 関係者全員に行なうこと
- 事実情報をしっかりと伝える事
- 上司と部下のような縦の連絡と、組織間の横の連絡
があります。
相談とは?
続いて、相談とは、「自分がある事柄について、どうしようか迷った時に、上司や先輩・同僚からアドバイスやヒントをもらう事」を言います。
相談は、人の力を借りて、自分自身を成長させるために行ないます。そして、イキイキとした仕事が出来るきっかけになるものです。
報連相の過去、現在、未来
相談が出来ていない社員が多い
報告、連絡、相談は、扱っている情報が、過去、現在、未来になっていることをご存じですか?
- 報告は、過去の情報を扱っています。
- 連絡は、現在の情報を扱っています。
- 相談は、未来の情報を扱っています。
例えば、「問題があった」といったような、実績報告の形をとります。
例えば、「応急処置をしている」といったような、現状連絡の形を取ります。
例えば、「このような根本対策をしたい」といったような、未来の対策計画の形をとります。
注意したいことは、報告、連絡はある程度は出来ているけれど、相談がほとんど出来ていないというケースです。
上司に相談している人は何%?
この円グラフは、一般社員の方に対する、「あなたは上司に相談を持ちかけますか?」という質問への回答です。
この結果を見ると、約4割の人は、上司に相談をしていないということになります。
相談は、自分を成長させるためのもので、これを軽視していたり、遠慮していたりすることは、非常に勿体ないことです。
逆に言うと、「相談」がしっかりと出来ていることが、一歩上のデキる社員になるための必要条件なのです。
「報連相」自分にとってのメリットを考える
3つのメリット
報連相のメリットは、大きく3つあります。
1つ目は、イキイキと仕事が出来ることです。
報連相をしっかりと行なうことで、仕事がスピードアップし、ミスやトラブルは激減します。また、周りからの信頼度もアップし、それが、自分自身のチャレンジする意欲へも繋がってきます。
2つ目は、仕事を任され、やりがいがアップすることです。
報連相が的確に出来る社員に対して、上司は安心して仕事を任すことが出来ます。その安心と信頼により、少しずつ大きな仕事への挑戦の機会が巡ってきます。それを積み上げていくことで、デキる社員になっていくのです。
3つ目は、仕事を通じて、夢がかなうことです。
報連相を確実に行ない、目の前の仕事に対して着実に成果を出していくうちに、圧倒的な信頼を獲得していきます。そして、いつの日か、自分の夢へ向かう「自己実現」のチャンスが到来します。
報連相という基本が出来ていない人には、残念ながら大きな仕事を与えてもらうことは出来ず、このようなチャンスは回ってきません。
このように報連相は、しっかりと行なう人にとっては、自分にとって必ずメリットがあるのです。
会社としてのメリット
さらに、報連相のレベル向上は、会社としてのメリットでもあります。
社員1人1人が報連相を行なうスキルの向上が、会社の本来の力の100%を発揮できることに繋がるのです。会社の本来の力を発揮できれば、収益は向上し、それを社員や社会に還元できるという、良いサイクルを回すことが出来ます。
会社と個人の双方にメリットがあるこの報連相、確実に行なえるようになりたいですね!
指示・命令を受ける時のコツ
しっかりと返事をする
コミュニケーションの原点
当たり前のことではありますが、円滑なコミュニケーションの原点は、返事や挨拶です。
例えば、次のような時、あなたはちゃんと返事が出来ていますか?
- 名前を呼ばれた時
- 指示を受けた時
- 「分かった?」と聞かれた時
- 「どう思う?」と聞かれた時
このようなタイミングの時、返事がなかったり、リアクションが少なかったりすると、どんな上司でも先輩でも、決していい気分にはなりません。
当然、そのような関係では、良い報連相が出来るわけがありません。
やはり大切なのは、笑顔で元気な返事をすることです。そうすれば、それだけで上司の印象もアップすることでしょう。
ダメな返事の例
ある上司と部下の会話を見ながら、ダメな返事の例を見ていきましょう。
上司が、「佐藤君!」と部下を呼びました。
その時部下の佐藤君は、「何ですか・・・」と答えます。
すると上司はなるべく明るい表情で、「今度の朝礼で一言コメント宜しく頼むよ!」と指示を出します。
その時、佐藤君は、「はあ・・・」「何で僕ですか・・・」と答えます。
会話はそこで終わりますが、上司の心の中は、「何だその返事は!」と、もうカンカンです。
場合によっては、そこからお説教が始まってしまうかもしれません。
このように、上司に悪い印象を持たれてしまうことがないように、「ハイ!」「分かりました!」「もう1度お願いします!」というように、元気にしっかりと返事をするようにしましょう。
指示内容をメモする
しっかりとメモを取ろう!
人間の記憶は完璧ではありません。
従って、指示や命令は、「聞き間違い・聞き逃し」、「記憶が薄らぎ忘れてしまう」ことに要注意しましょう。
それを防ぐためにも、しっかりとメモを取るようにしましょう。
メモを取る時は、2つのポイントが大切です。
1つ目は、5W1Hでメモをすること。
2つ目は、不明な点はしっかりと確認することです。
5W1H
5W1Hは知っていますか?確認していきましょう。
1つ目のWは、Whoです。Whoは、人物、「誰が」 を 表します。
2つ目のWは、Whatです。Whatは、対象、「何を」 を 表します。
3つ目のWは、Whenです。Whenは、日時、「いつまでに」 を 表します。
4つ目のWは、Whereです。Whereは、場所、「どこに」 を 表します。
5つ目のWは、Whyです。Whyは、理由、「なぜ」 を 表します。
そして、Hは、How方法です。Howは、「どのように、どうするか」 を 表します。
これが5W1Hです。
5W1Hの例を挙げると、佐藤君が、商品Xを、明日の17時までに、お客さまの工場へ、新商品の納品の為に、郵送する、というようなイメージとなります。
練習をしてみましょう
では、ここで5W1Hでメモをする練習をしてみましょう。
次の指示内容を5W1Hで整理してください。指示の足りない部分も明確にしましょう。
「高橋君、この前お願いした実験Yのデータ、もうまとまったかな?まとまっていなかったら急ぎで対応して、K食品の佐々木部長宛に郵送しておいてくれるかな。」
5W1Hに当てはめてみましょう
まず、Whoに当たる部分は何になるでしょうか。
正解は、「高橋(自分)が」 となります。
次に、Whatは何になるでしょうか。
正解は、「実験Yのまとめデータを」 となります。
次に、Whenは何になるでしょうか。
実はこれは明確に指示されていません。「急ぎ」というキーワードはあるものの、どのくらい急げばよいか、人によって判断に差が出てしまう可能性があります。従って、「急ぎと言うのは、具体的にはいつまででしょうか。」というように、確実に確認しておかなければいけません。
次に、Whereは何になるでしょうか。
正解は、「K食品の佐々木部長宛」となります。
次に、Whyは何になるでしょうか。
これも実は、この指示の言葉では、明確に指示されていません。
実験Yのまとめデータは、なぜお客様にとって急ぎで必要なのか、確認をしておかなければいけません。
極端な例ですが、「このデータが届くのが遅れてしまったら会社が倒産する!」 と思って対応するのと、「なるべく急ぎで出せばいいんだな」 と思って対応するのとでは、何時に届くかという「結果」は大きく変わってしまうのです。
次に、Howは何になるでしょうか。
正解は、「速達で郵送する」 となります。
いかがですか?5W1Hのイメージが付いたでしょうか。
初めのうちは、5W1Hを意識してメモを取ることで、指示内容を確実に整理できるようになりましょう。それにより、聞き間違いや聞き逃しを防止することができるようになります。
指示内容を復唱する
要点を必ず復唱しよう!
先程、指示内容のメモを取る必要性を確認しました。ただし、ただメモを取っているだけではいけません。
自分が認識違いをしていたら、ミスが発生してしまうからです。
従って、要点を必ず復唱するようにしましょう。
例えば、上司が、「今日はBラインで作業をしてください。」と指示を出したとします。それに対して、「はい、Bラインですね!」と復唱するのです。
また、「工藤さんにメールしておいて。」という指示に対して、「はい、武藤さんですね。」という聞き間違いをしてしまっても、復唱をしていれば、「いや、工藤さんだよ、品証部の工藤さん。」と言ったような訂正を入れてくれます。
このように、認識違いも復唱すれば回避でき、ミスがグンと減っていきます。
指示・命令を受けた時は、復唱して自分の認識が間違っていないか、確認するようにしましょう。
指示・報告とPDCAサイクル
PDCAを回そう!
組織における仕事は、命令・指示で始まり、自らPDCAサイクルを回し、最後に最終報告を行なうことで完了します。
「PDCAを回す」という言葉は、ビジネスにおいては、頻繁に出てきますので、この意味を押さえておきましょう。
PDCAサイクルとは
PDCAサイクルは、マネジメントサイクルとも呼ばれます。
計画またはルール通りに業務が実施されているかを確認し、期待される結果が得られるようにするために、このPDCAサイクルというものを回すことが求められます。
Pは、Plan、計画です。指示された事を具体的にどう進めるか、計画を立てることを指します。
Dは、Do,実行です。計画に基づき実行することを指します。
Cは、Check、進捗確認です。自分のやっている仕事の進捗を確認し、経過報告することを指します。この際には新たに指示を受けることもあるでしょう。
Aは、Action、対策です。必要に応じて計画を変更し実行することを指します。しっかりと上司の判断も織り込む必要があります。
指示・命令されたことに対しては、このように自分でしっかりとPDCAサイクルを回していきましょう。
特に、Checkにおいては、必ず報告を行なうことで、指示された意図と自分がやっていることが合致しているか、確認することが大切です。
報連相まとめ
以上で学んだことをまとめてみましょう。
報連相とは?命令・指示を受けるコツとは?
- 報連相が不十分だと、作業や業務の遅れ、ミスやトラブル増加、業績が上がらないこと等に繋がってしまう。それにより、風通しの悪い職場になってしまう
- 報連相の会社としてのメリットは、本来持っている100%の力を発揮できること。100%の力が発揮されることで、収益が獲得され、より大きく社員と社会に還元することができるようになる
- 報連相の個人としてのメリットは、仕事にやりがいが生まれ、自己の成長につながること
- 報連相という仕事の基本を確実に行なうことは、デキる社員の必要条件
- 円滑なコミュニケーションの原点は、笑顔で元気な返事や挨拶をすること。それだけで上司の印象もアップする
- 命令・指示をメモする時には、5W1Hでメモを取る。そして、不明な点は確実に確認することが大切
- 5W1Hでメモをすることで、指示の不足にも気付くことができ、ミスの無いデキる社員に近づく
- 聞き間違いや認識違いをしない為に必要な事は、命令・指示を復唱すること。認識が間違っていても、訂正できるので事前にミスを防ぐことができる
いかがでしたか?一言に報連相と言っても、意外と出来ていない部分があったのではないでしょうか?
仕事をスムーズに進め、デキる社員になるためには、報連相の技術向上が必要不可欠です。日々報連相のスキル向上に努めていきましょう!
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