論理的な話し方とは?論理的に話すための基本や三角ロジックについて解説
目次
論理的な話し方とは?
日頃の仕事における会話や報告の場等では、論理的な話し方をすることが求められます。論理的に話が出来なければ、伝えたいことが伝わらず、良い評価を受けることもできません。
本ページでは、論理的とはどのようなことなのか、どのようなことを意識すれば論理的に話が出来るのかについて解説しています。論理的な話し方を身に付け、アウトプットの質の向上を目指していきましょう。
なぜ人前だと上手く話せないのか?
いつもはムードメーカーなのに…
普段は饒舌におしゃべりしている。いつもはムードメーカーな自分。
人前に出ると話せない…
でも人前に出ると途端に話せなくなる…
このようなことを感じている人は、実は結構多いものです。
もっとうまく話したい!
誰だってこう思うはずです。
もっと上手く話したい!
もっと仕事をスムーズに進めたい!
もっと上手くプレゼンしたい!
これはビジネスマンであれば、誰もが思うことではないでしょうか。でも、誰だって初めから上手にできたわけではありません。
基本を学び、コツを知り、経験を重ねることで上達するのです。
論理的な話し方が出来れば…
論理的な話し方が出来れば、仕事がスムーズに進みます。上司や周囲からは仕事ぶりを評価されます。そして、人間関係がスムーズになり、新たな視点への気づきが生まれるようになります。それにより、仕事が楽しくなっていくのです。
人前で話せない2つの原因
では、なぜ人前でうまく話せないのか。それは2つの原因があると言われています。
1つは精神的な問題です。緊張する、自信がない、自意識過剰、周りを気にし過ぎ等により、人の評価を気にして焦りうまく話せないのです。
もう1つは、話す内容の問題です。ストーリーが繋がっていない、頭が整理できていない、内容が事実か分からない等によって、何を言っているのか分からなくなり焦ってしまい、支離滅裂になってしまうのです。
頭の中が真っ白になって、自分でも何を言っているのか分からなくなったことはありませんか?その経験がトラウマになり、人前で話すことに苦手意識を持っている人も多いかもしれません。
でも大丈夫です。論理的に話すための基本を知り、必要な場数を踏むことで、必ず苦手意識はなくなっていくはずです。
事前準備の大切さ
それでは次に、事前準備の大切さについて確認します。
段取り八分
段取り八分という言葉を知っていますよね。
本番で成功するかどうかは、8割方は事前段取り段階で決まってしまうという言葉です。この言葉は、報告・説明やプレゼンでも当てはまります。8割が準備段階で決まるといっても過言ではないのです。事前準備が不足していると、緊張したり、内容に自信が持てないため、うまく話せないという状態に陥ってしまいます。
事前準備に力を入れる
事前準備に力を入れるとはどういうことでしょうか?
具体的には、
・内容を理論的に組み立てる
・分かりやすい説明資料をつくる
・準備の時間を惜しまない
といったことが求められます。
少し大変だという感覚もあるかもしれません。しかし、慣れてくれば少しずつ効率的に準備が出来るようになります。
論理的な話し方をするために、まずは事前準備をしっかりすることが大事であること、そしてそれを継続することが求められることを初めに覚えておきましょう。
当日になったら…
それでは、事前準備が出来たら当日はどう対応すればよいでしょうか?
具体的には、
・内容に自信を持って話す
・評価を気にし過ぎないようにする
・前向きに伝えようという姿勢を持つ
といったことが求められます。
しっかり準備していれば自信を持って話が出来ます。上手くいかなかったら、次に上手くいくチャンスだと思って、前向きに捉えることが大切です。
事前準備がしっかりできたら、あれこれ悩まず自信を持って話すことが成長のプロセスで欠かせないということですね!
場数を踏むことも大切
とは言え、すぐには上達出来ないのではないかと思うかもしれません。
それは実はその通りです。やはり、場数を踏むことも必要不可欠です。1度上手くいかなくても、人前で話す場を避けずに自ら取りに行く!その継続により、結果的にいつの間にか上達しているのです。何度も経験を積む!その努力の積み重ねが上達の最短ルートだと覚えておきましょう。
論理的とは何か
それでは次に、「論理的とは何か」について確認します。
論理的であるとは?
論理的とは、聞き手が「なるほど」「たしかにそうだ」と感じることです。つまり、話していることの納得性が高いことを「論理的である」と言います。
逆に、論理的でないというのは、
・思い付き、感情的
・関係ない話が紛れ込む
・主張や結論が分からない(何が言いたいか分からない)
・主張に対する理由に納得感がない
・話が複雑
といった状態のことを指します。人は、このような状態を「論理的ではない」と感じるのです。
基本は「○○が、○○だ」
もう少し具体的に確認してみましょう。
「○○が、○○だ」という主語と述語があるとします。例えば、「天気予報が雨だから、傘を持っていく」という文章は、意味が繋がっているので論理的です。一方、「天気予報は晴れだけど、傘を持っていく」という文章であれば、意味が繋がっていないので分かりません。
なぜ?と聞きたくなりますよね。これは論理的ではない文章です。なお、この文章は、「天気予報は晴れだけど、ゲリラ豪雨の時のために、傘を持っていく」となっていれば、意味が分かるので論理的な文章に変わります。以上から分かるように、しっかりと意味や理由が繋がっていることが論理的であることの必要条件となるのです。
2種類のコミュニケーション
ではここで、コミュニケーションの2つの種類を確認しておきましょう。
1つ目は、対面での会話のキャッチボールです。2wayコミュニケーションとも呼ばれます。
2つ目は、大勢の人へのプレゼンテーションです。1wayコミュニケーションとも呼ばれます。
それぞれについて確認しましょう。
対面での会話のキャッチボール(2way)
まずは、対面での会話のキャッチボール(2way)における論理的な話し方についてです。
例えば、「AとBどちらが良いと思いますか?」と聞かれた時、「Aは○○な特徴があります」というように、ストレートに質問に答えることができない人が意外と多くいます。
AかBかと聞かれているので、「Aが良いと思います。なぜかと言うと…」というように、まずは投げられた質問に対してストレートに答えることが、“論理的”の基本です。
大勢の人へのプレゼンテーション(1way)
次に、大勢の人へのプレゼンテーション(1way)における論理的な話し方についてです。
プレゼンにおいて、そもそも話す目的は何でしょうか。
プレゼンでは、
・誰に何を伝えたいのか
・結論は何なのか
・相手に何をしてほしいのか
これを明確にした上で、プレゼンテーションという手段を通して、聞き手に自分が伝えたいことを納得してもらうことが目的です。
プレゼンにおいては、
・余計な話、キーワードを入れない
・結論や主張をはじめに明確に示す
・論理的・ロジカルに話す(○○が○○だから)
・質疑では2wayコミュニケーションと同様に、相手の疑問にストレートに答える
等が求められますが、詳細は第4章にて学習します。
ここでは、プレゼンでは伝えたいことを一言で言い表せなければ、論理的な説明が出来ていない可能性があると覚えておきましょう。
論理的に話すための基本と三角ロジック
ここからは、論理的に話すためには、どのような基本を押さえるべきかについて確認します。特に、三角ロジックは論理的思考における代表的な考え方となりますので、しっかりと理解をしましょう。論理的な話し方を身に付け、アウトプットの質の向上を目指していきましょう。
論理的に話ができない人の特徴
まずは、論理的に話ができない人の特徴について確認していきます。
論理的な話し方が出来ない人の3つの特徴
論理的に話ができない人の特徴として、代表的なものは次の3つです。
① 話が飛ぶ/逸れる
② 主語がない
③ 相手の知識レベルを考えていない
それぞれについて確認していきましょう。
話が飛ぶ
まず1つ目は、「話が飛ぶ/逸れる」ことです。
例えば、先日発生した顧客クレームの原因を聞かれた時、「先日発生した顧客クレームの原因ですか?」「ああ、あれは、採用の基準を見直した方がよいと思います。」というように、話が飛んでしまうと、聞き手は、「何でそうなるの?」と感じてしまうはずです。
この発言には本来、「製品の仕様を間違って納品したみたいです。」「出荷前検査のルール違反が原因だったようです。」「同じ人が前にも同じクレームを出しましたよね。」というような根拠があるものの、それを飛ばしてしまったため、論理的ではない説明になってしまいました。
相手にしっかりと意見を伝えるためには、話を飛ばさずに順序立てて説明することが大事です。
話が逸れる
また、話が逸れるケースも見受けられます。
同様に、先日発生した顧客クレームの原因を聞かれた時、「先日発生した顧客クレームの原因ですか?」「大体規格が厳しすぎるんですよ。」「規格が厳しすぎて、全然儲からないですよね。」「このご時世だからもっと儲かるサービスを考えた方がいいですよね。」「やっぱり新規事業を考えるべきだと思います。」といったように話が逸れていくと、当然聞き手は「そんなことが聞きたいのではないのだけど…」と感じてしまうはずです。
話が逸れないように、聞き手の質問の意図を汲み取って話をする姿勢もとても大切です。
主語がない
2つ目は、「主語がない」ことです。
例えば、次のような会話をどう感じますか?
課員「伊藤課長の上司に確認したところ、懸念を示していたとのことです。」
上司「ん?誰が?」
課員「あ、私が確認しました!」
上司「いや、懸念を示していたのは誰?」
課員「あ、クライアントです!」
こんなやり取りをしていたのでは、聞き手からは、「だ、大丈夫?」と思われてしまっても仕方がありませんよね。
この場合、誰が確認したのか、誰が懸念を示していたのか、主語を明確にすることで、一発で必要なことを伝えられます。
課員「私が伊藤課長の上司に確認したところ、クライアントは懸念を示していたとのことです。」
上司「そうか、分かった!」
論理的に話が出来ていれば、これだけの会話で済みますよね!
相手の知識レベルを考えていない
3つ目は、「相手の知識レベルを考えていない」ことです。
例えば、「例のRAの件、今月中にFixしていつもの場所にアップしておいて!」という指示を聞いたらどう感じるでしょうか。
新人であれば、「すみません。何のことだか全く分からないんですが…」と言いたくなってしまいます。
そうではなく、「先日の安全会議で議題に挙がったリスクアセスメントの件、今月中に実施完了して、サーバーの中の安全フォルダの中に保存しておいて!」というように、誰でも難なく理解できる話し方をすることが大切です。
専門用語をひけらかすのは仕事ができない人と覚えておきましょう。
結論は先か後か?
それでは次に、結論を先に出すべきか、後に出すべきかについて確認していきます。
状況により判断する
ビジネスにおいては、伝えたいことをどのタイミングで聞き手に伝えるかによって、相手を説得できるかどうかが大きく変化します。
基本的には、次の考え方で判断を行うのがおススメです。
短時間で話を進めたい時は、先に結論を話します。
じっくり説得したい時は、後に結論を話します。
それぞれもう少し詳細を確認していきましょう。
先に結論を話した方がいい場合
先に結論を話した方がいいのは、どういう場面でしょうか。
聞き手が答えや報告を待っている場合、結論を知っており確認するだけの場合、全体像を伝えた方が話が理解しやすい場合等が挙げられます。
先に結論を話す時のメリットとしては、
・短時間で聞き手に用件を伝えられる
・聞き手が安心感を持って話を聞くことができる
等が挙げられます。
一方、デメリットとしては、
・結論が気に入らないと、それ以降話を聞いてもらえない
・いきなり結論を押し付けられたと感じることがある
等が挙げられます。
必ずしも結論を先に話した方が良いとは限りませんが、ビジネスにおいては、先に結論を話した方が良いシーンが多いと覚えておきましょう。
後に結論を話した方がいい場合
では、後に結論を話した方がいいのは、どういう場面でしょうか。
話し手がテーマを設定した場合、結論に対して反発が予想される場合、聞き手も一緒に結論を導いてほしい場合等が挙げられます。
後に結論を話すメリットとしては、
・聞き手は先入観を捨てて聞くことができる
・聞き手もじっくり考えながら聞くことができる
等が挙げられます。
一方、デメリットとしては、
・聞き手がイライラしてしまう可能性がある
・聞き手によって結論の受け止め方が異なる可能性がある
等が挙げられます。
聞き手の特性を押さえよう
それでは次に、聞き手の特性を押さえる必要性について確認していきます。
経験からくるフィルター
ビジネスにおける会話や発言においては、相手がどのような特性(経験や考え)を持っているかを考慮して話をすることが大切です。
人は誰でも、経験から来る“先入観”というフィルターを持っています。
同じ説明でも受け取り方が異なる場合があるのです。
聞き手は様々な状況の中にいる
新入社員とベテラン、中堅社員。
製造部門と営業部門。
経営者と一般社員。
推進派と反対派。
聞き手は、様々な状況の中にいます。自分と同じ意見なのか、異なる意見なのか、しっかり特性を考えて話をするとスムーズに事が運びやすいと覚えておきましょう。
三角ロジックとは
それでは次に、三角ロジックについて確認していきます。
なぜ(Why?)+だからどうした(So what?)
論理的に話すために意識すべきシンプルな2つのことがあります。
それは、なぜ(Why?)と、だからどうした(So what?)です。
ある主張(結論)があった時、なぜその主張(結論)が導かれたのかという、理由や根拠を明確にしなければ伝わりません。主張に対して、「なぜならば、○○だからだ。」というWhyがあり、それに納得してもらうことが出来れば、相手を説得することができます。
また、「こういう根拠がある」という理由や根拠をいくら並べても、主張が明確でなければ何が言いたいのか分かりません。「だからどうした」というSo whatがなければ相手を説得することは出来ないのです。
「なぜ」と「だからどうした」に関わる、主張、理由、根拠の3要素の関係を表したものに、三角ロジックがあります。詳しく確認してみましょう。
論理の3大要素とは
三角ロジックは、論理の3大要素である
・主張(結論)
・理由付け
・根拠(データ)
において、その相互関係を表したものです。この3つが矛盾なく整合性を保っていることで、論理的だと言うことが出来るのです。
三角ロジックのそれぞれの要素
では、三角ロジックのそれぞれの要素について確認していきます。
主張は、話の結論、意見、言いたいこと等を指します。
理由付けは、原理原則、一般的な傾向、常識等の理由を指します。
根拠(データ)は、主張を裏付けるデータ、客観的な情報等を指します。
なお、三角ロジックには、Why型とSo what型があります。それぞれ確認していきましょう。
Why型の三角ロジック
まずはWhy型について確認します。
Why型では、例えば、「広告を強化すべきだ」と言ったような主張(結論)が第一に来ます。
そして、それに対して、なぜ強化すべきなのかという根拠(データ)と理由付けを示します。
例えば、「新商品の認知度が10%以下だった」といったような主張の根拠となるようなデータや、「新商品の認知度が上がると販売数量が増える」といったような理由が続きます。
このロジックで論理的な説得を試みるのが、Why型の三角ロジックです。
So what型の三角ロジック
次に、So what型について確認します。
So what型では、まずは「新商品の認知度が10%以下だった」という根拠や、「新商品の認知度が上がると販売数量が増える」という理由付けが来ます。
そして、だからどうしたというSo whatとして、「広告を強化すべきだ」というような主張(結論)を示すのです。
このロジックで論理的な説得を試みるのが、So what型の三角ロジックです。
Why型、So what型は、活用するシーンにおいて使い分けていきましょう。使い分けに関しては、「結論は先か後か?」で学習した通りです。
論理的な話し方のまとめ
以上で学んだことをまとめてみましょう。
論理的な話し方とは?三角ロジックとは?
- プレゼンや説明は、8割が準備段階で決まる
- 論理的とは、聞き手が説明を「なるほど」「たしかにそうだ」と感じること。つまり納得性が高いこと
- 論理的に話ができない人の特徴は、話が飛ぶ/逸れる、主語がない、相手の知識レベルを考えていない
- 時間で話を進めたい時は、先に結論を話した方が良い
- じっくり説得したい時は、後に結論を出した方が良い
- 三角ロジックとは、論理の3大要素(主張、理由付け、根拠)とその相互関係を表したもの。3つが矛盾なく整合性を保っていることで論理的な説明になる
いかがでしたか?論理的な話し方の概要はイメージできましたか?
日頃の仕事における会話や報告の場等で論理的な話し方をすることで、伝えたいことが伝わって、良い評価を受けることができるようなスキルを身に着けていきたいですね!
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