カイゼンベース / KAIZEN BASE

第1回カイゼン事例大会レポート

第1回カイゼン事例大会の発表の様子
藤澤 俊明

藤澤 俊明

代表取締役
シニアコンサルタント

トヨタ自動車の生産技術部門を経験後、製造系大手コンサルティングファームを経て2015年にカイゼンベース株式会社を設立。国内外の製造業を中心とした人材育成・改善支援に尽力中。

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第1回カイゼン事例大会には約300名の方にご参加頂きました!

本ページは、2021年12月13日(月)に開催した”第1回カイゼン事例大会”に関するレポート記事です。12月の師走でとてもお忙しい中、約300名ほどの方にご参加頂き、大盛況に終わったイベントの様子をご紹介いたします!

第1回カイゼン事例大会開催概要

多くの企業で仕事の一部として取り組んでいるカイゼン活動。長く活動を行っているが故に新しい視点が不足してしまったり、本当にこのやり方でいいのか等、自信なく進めている企業も多いのが実態です。

本セミナーイベントでは、他社・他業種の改善事例を知り、新しい発想や気づきを得ることにより、既存の延長ではない新たなステージでのカイゼン活動へステップアップして頂くことを目的として開催いたしました。

発表企業としてご参加頂いた企業様

第1回では、下記の企業の皆さまに自社の改善事例の発表を行って頂きました!(発表順)

株式会社資生堂様
京浜ドック株式会社様
株式会社荏原製作所様
パナソニック株式会社様

なお、僭越ながら私藤澤からも「製造業におけるキャリアラダー(人材教育体系)の構築と運用におけるポイント」について特別講演をさせて頂きました!

発表までの流れのご紹介

発表当日までの道のりについて簡単にご紹介させて頂きます。発表企業様と共に、数ヶ月かけて準備し、本番に臨む形で進めました。

2021年7~10月・・・発表企業様のご招待

今回、第1回の開催ということで、実は1番のハードルがここにありました。

「まだ発表出来るレベルではないので、第1回は視聴参加だけにしたい・・・」といったように、様子見の企業様がとても多かったのです。

そんな中、今回ご参加頂いた企業様には、そのご厚意に本当に本当に感謝しております!

2021年10~11月・・・発表資料のブラッシュアップ

通常業務に支障が出ないように、基本的には「既存の資料を活用して頂く」という方針で進めさせて頂きました。
各社2~3回ほど、WEBミーティングで内容を一緒に検討させて頂き本番に臨みました。

また、2021年11月末には、各社の発表者様にWEB上で集まって頂き、顔合わせを行いました。意外なところで共通点があったりと、緊張感がありつつも楽しい時間を過ごさせて頂きました。
普段違った業種の方とお話しする機会も少ないため、とても刺激になったとおっしゃって頂き、我々も嬉しく感じています。

各発表者様の発表の様子

それでは、当日の様子のご紹介です。
今回は、Zoomのウェビナーの機能を使って開催をさせて頂きました。

我々運営側(ホスト)と発表企業様(パネリスト)が発表している風景を、視聴のみのユーザーの方が閲覧している形で行いました。
ただし、可能な限り双方向型でコミュニケーションが取れるように、視聴者の方からも、ウェビナーの「Q&A」という機能を使って、質問やご意見・感想を書き込んで頂き、ファシリテーターを務めた私が紹介するという形で行っています。

第1回カイゼン事例大会の発表の様子

実際の接続の様子はこちら。接続端末数160台、合計参加者約300名という沢山の方にご参加頂きました。
発表者の皆さま、とても緊張しているかと思いきや、WEBの効果(?)もあり、とても落ち着いて発表されておりました(素晴らしい!)

第1回カイゼン事例大会の発表の様子

発表者、視聴者の皆さまは、日本全国(一部海外)、様々な場所から接続して頂きました。こういったことが容易に出来るようになったのは、世の中がWEBミーティングに慣れることができたお陰だと感じています。リアルでの開催だけではなく、今後も積極的にWEBツールを活用したイベントやセミナーを開催していこうと思います。

それでは、各発表企業様の様子をご紹介していきたいと思います。

株式会社資生堂様

株式会社資生堂様には、「生産性向上につなげるためのLabor Productivity指標の整備と仕組み化」というテーマで発表をして頂きました。

第1回カイゼン事例大会 資生堂様の発表の様子

カイゼン事例は、指標整備だけでなく活動の定着とPDCAを回し続ける仕組みづくりについてご紹介頂き、とても参考になる内容だったと感じました。カイゼン自体の進め方も、QCストーリーの王道に則った形であり、基本に忠実な進め方だったのがとても参考になったという声も視聴者から頂きました。

「指標整備」と一言で言っても、なかなか現場へ浸透させることが容易ではありません。今回の資生堂様の発表では、現場で働く1人ひとりへの意識付け自主的な活動が、カイゼンの浸透と進化を支えるんだなということを改めて感じることができた発表だったと思います。

京浜ドック株式会社様

京浜ドック株式会社様には、「現場における作業性の改善や創意工夫による、安心安全な職場環境づくり」というテーマで発表をして頂きました。

第1回カイゼン事例大会 京浜ドック様の発表の様子

カイゼン事例は、船という大物製品の製造において、誰でも安心安全に作業できるようにするための各種改善をご紹介頂きました。

作業者が安全に、そして楽に作業できることが、生産性を向上させるために1番大切なことだということを感じる発表だったと思います。カイゼンの効果をしっかりと金額換算していること等、オーソドッグスな改善のアプローチが大変参考になったという感想を視聴者の方から頂きました。

株式会社荏原製作所様

株式会社荏原製作所様には、「荏原製作所における生産革新活動」というテーマで発表をして頂きました。

第1回カイゼン事例大会 荏原製作所様の発表の様子

今回の事例発表では、2008年から始まった生産革新活動で行っている自主研の活動内容や、各国で行っている活動の全体像についてご紹介頂きました。

トヨタ生産方式をベースとした自主研などの人材育成の進め方等、内外多数の生産拠点を持つ荏原製作所様ならではの視点でご紹介頂き、私もとても興味深く聞かせて頂きました。トップの方がしっかりと関与して進めていること等、活動全体の動かし方が参考になったと視聴者の方からも感想を頂きました。

パナソニック株式会社様

パナソニック株式会社様には、「IoTツール(カイゼンスイッチ)を使った組み立て工程の生産能率向上」というテーマで発表をして頂きました。

第1回カイゼン事例大会 パナソニック様の発表の様子

カイゼンの現場でも普及を始めているIoT。今回の事例発表では、社内で開発したIoT稼働管理ツールであるカイゼンスイッチを使った組み立て工程の改善事例についてご紹介頂きました。大きなシステムとしてIoTを活用するのではなく、スモールIoTとしてカイゼンスイッチを開発し、自社内で活用していること等をご紹介頂き、IoT活用の1つの選択肢としても興味深く聞かせて頂きました。

【特別講演】カイゼンベース株式会社 代表取締役 藤澤 俊明

各発表企業様の発表の後には、私藤澤から「製造業におけるキャリアラダー(人材教育体系)の構築と運用におけるポイント」と題しまして、製造業における人材教育体系の必要性やポイントについて解説させて頂きました。

第1回カイゼン事例大会 カイゼンベース藤澤の発表の様子

教育体系の構築においては、「基本スキル」と「実務スキル」を分けて考えることが必要であることや、教育の範囲だけではなく深さを決めることが重要であること等を、ある企業様で実際に行った事例をもとに説明させて頂きました。大変ありがたいことに、本内容に関してもたくさんの反響を頂きましたので、別途無料セミナーの開催を検討しています。ご興味がありましたら是非ご参加いただければ嬉しいです。

第1回カイゼン事例大会を振り返って

今回、様々な業種の企業様に、自社の改善事例を発表頂くという初めての試みを行いました。自動車サプライチェーンのように、グループ内で事例発表を行ったり、関係会社でお互いに発表を行っている企業もありますが、全く異なる業種の発表を聞くというのは、なかなか無いことです。

弊社では、今後もこのような取り組みを行っていきたいと思いますが、より今後も参加した方々にご満足いただけるように、視聴後のアンケート結果をしっかりと分析させて頂いています。ここではその一部を紹介させて頂きます。

良いコメント

まずは、発表の内容に関することや、イベントそのもの自体をご評価頂いたコメントが多く、とてもありがたい限りです。

以下、良いコメントを一部ご紹介します。

  • 全体を通じて大変ためになる内容でした。また視聴させて下さい。
  • このような発表を聞くことがなかったので、とても有意義でした。
  • 各社様しっかりと準備をされていてスムーズで、カイゼンベース様も時間管理をしっかりされていたので、聞いていてストレスは無かったです。
  • 的を絞った攻め方で効率よく効果を出したい。現場作業者の実際の声を聞きながら、正しいデータ採取を行うところから社員と一緒に考えて攻める的を早く共有していきたいと感じました。
  • 異業種の会社様の改善発表を聞ける機会は、本当に貴重で有難く思っております。
  • 各社の資料のまとめ方や発表の仕方がとても上手く、それらがとても参考になりました。 etc.

課題を頂戴したコメント

一方、次回に向けて、ご要望やご意見もたくさん頂きました。資料を共有してほしい、もう少し具体的な事例が聞きたい、もっと小さな会社の事例を知りたい等のコメントをたくさん頂きました。これらにつきましては、次回以降の課題と認識し、しっかりと改善をしていきたいと思います。

以下、ご意見を頂いたコメントを一部紹介します。

  • 今回の発表は大きな企業が多かったですが、中小企業の改善事例も多く取り扱って欲しい。
  • もう少し現場に近いところでの泥臭い改善事例が数多く聞けると嬉しいです。
  • 例報告資料のポイントだけでも事前配布、頂けますと幸いです。
  • 公開可能な範囲内でいいので、発表資料の共有をいただきたいです。
  • 発表いただいた内容に聞き入ってしまう中でなかなかメモを取るのも難しい状況でした。資料を事後に参照させていただけると更に勉強させていただける機会になると感じました。
  • 次回以降、物流部門(特に製造業の倉庫作業系)の事例も聞けると嬉しいです。
  • 改善内容のbeforeとafterの事例をもっと増やしてほしい。 etc.

最後に・・・

“情報を発信するところに、良質な情報は集まってくる”
“企業間同士の情報共有が新たな気付きを生み出し、カイゼンに新たな1歩が生まれる”
“その1歩1歩が日本のカイゼンをより元気にして、再び日本が“カイゼン”の発信地に”

当日の最後のまとめのお時間でもお話したことですが、今回のイベントは、このような考えのもとに採算度外視で開催を致しました。

実際に開催した結果を振り返ると、改善事例の共有への期待を大きく感じた一方で、当初から懸念していた「発表に費やす企業様側の工数の問題」「機密情報の問題」など、課題もたくさん見えて参りました。これらは引き続き今後の継続開催に向けた課題となると考えています。

ただ、「色々制約があるから難しいよね」というだけでは発展はないと思います。より多くの企業様がご参加いただけるイベントとして、より良い形で開催が出来るように試行錯誤を行っていきたいと思います。

今回参加できなかった方も、是非次回はご参加頂けたら嬉しいです。そして、発表企業様、募集しています!

以上、第1回カイゼン事例大会のレポートです。第2回へ向けて、引き続きチャレンジして参ります!!!

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