アイディア発想法!シックスハット法、属性列挙法、希望点列挙法と欠点列挙法について解説
目次
シックスハット法とは
シックスハット法とはどんな手法?
シックスハット法とは、その名のとおり6色の帽子を使って行うアイディア発想法です。多様な視点から物事を見るための手段として開発されたのがシックスハット法です。
シックスハット法とは、その名のとおり6色の帽子を使って行うアイディア発想法です。
水平思考(ラテラルシンキング)の提唱者である、エドワード・デ・ボノ博士によって考案されました。
水平思考とは多様な視点から物事を見ることで直感的な発想を生み出す方法です。
この「多様な視点から物事を見る」ための手段として開発されたのがシックスハット法なのです。
シックスハット法では帽子の色によって話し合う視点が決められています。
まずは、メンバー全員が同じ色の帽子をかぶり、同じ視点でブレインストーミングを行います。いつも同じメンバーで意見が偏ってしまいがちな時に行えば、普段と視点を変えて新しいアイディアを出すことが出来るようになります。
また、意見が違う人同士で議論がかみ合わない時や、堂々巡りになってしまうこともあると思います。そんな時にこの方法を取り入れると、メンバーが一致して同じ方向に向かいスムーズに議論を進めることができます。
6つの視点
まずはじめに課題とゴールを決め、どの順番でブレインストーミングを行うかを話し合います。
全員で同じ色の帽子をかぶり、各色5分程度でアイディアを出し合います。かぶっている帽子の色以外の発言はしないように注意しましょう。
6色の帽子それぞれの視点を紹介します。
■白い帽子は「客観的、中立的」
データに基づく客観的な事実を述べます。ノートパソコンなどを準備し、すぐに情報を調べられるようにしておくと良いでしょう。自分の意見や判断は言わないようにします。
■赤い帽子は「直感的、主観的」
直感的な意見を述べます。自分の具体的な気持ちをどんどん発言しましょう。好き嫌いなど感覚的、感情的な意見でOKです。
■黒い帽子は「否定的、悲観的」
論理的にネガティブな意見を言います。あえて最悪の状態を想像し、リスクや懸念点などを見つけ出します。
■黄色い帽子は「肯定的、楽観的」
ポジティブな視点でどうすれば実現できそうかを話し合います。大げさでもいいので長所や利点を探しましょう。
■緑の帽子は「革新的、創造的」
クリエイティブに新しいアイディアを提案します。黒の帽子の時に出たアイディアを乗り越えられるような革新的なアイディアが出せると良いでしょう。
■青の帽子は「俯瞰的、統括的」
全体の流れを俯瞰し、次に何をすべきか結論を出します。
シックスハット法のメリット
6色の帽子は必ずしも用意しなくていいのですが、メンバー全員で帽子をかぶって行ったほうが「ゲーミーフィケーション効果」といってゲーム感覚で楽しく行うことができます。議論が活性化し、メンバーの一体感も生まれやすいでしょう。
視覚的な効果で思考の切り替えもスムーズに出来るようになります。
簡単に準備するためには、色画用紙などで三角帽を作るのもいいかもしれません。
強制的に違う視点から物事を考えることで、普段の思考の癖を取り払い、自由な発想が出来るようになります。複数で行うだけでなく、ひとりでアイディアを練るときにも有効な方法です。
いつもと違ったブレインストーミングになって、斬新なアイディアを得ることが出来るかもしれませんよ。
属性列挙法(特性列挙法)とは
それでは次に、ネブラスカ大学のロバート・クロフォード氏によって1930年代に考案された、属性列挙法(特性列挙法)をご紹介します。
属性列挙法(特性列挙法)とはどんな手法?
属性列挙法(特性列挙法)とは、モノが持つ属性を3つの観点に分けて列挙し、分析をしてアイディアを生み出す発想法です。
この手法のベースになっているのは、次の2つの考え方です。
- 全てのアイディアはそれ以前にあったアイディアを何らかの方法で変化を加えたものであり、往来のものをきちんと研究することで新しいアイディア発想につながる
- 課題を小さく分解していけばいくほどアイディアが出やすくなる
新商品の開発や商品の改良など、モノの問題を分析する時に役立てることが出来ます。
3つの属性
属性列挙法(特性列挙法)では、特定のモノについて考えられる全ての属性を下記の3つに分けて列挙していきます。
①名詞的属性
(全体、部分、材料、製法)
②形容詞的属性
(色、性質、形、デザイン)
③動詞的属性
(メカニズム、機能)
例えばやかんを改善したい場合・・・
①名詞的特性
つまみ、ふた、蒸気穴、胴、口
②形容詞的特性
軽い、重い、大きい、丸い、茶色い
③動詞的
わかす、水を入れる、お湯を運ぶ、音を出す、蒸気を出す
など思いつく全ての属性を書き出していきましょう。
アイディアの発想
属性のひとつひとつについて改善案を出来るだけたくさん出し、アイディアを発想していきます。
例えばやかんの場合
蒸気穴
フタをつける、笛をつける、蒸気を横から出す
軽い
フタを止める、つるをアルミ材にする
お湯を分配する
目盛りをつける、透明にする、定量づつしか出ないようにする
その属性をもっと利用したり別のものに置き換えられないかなど、改善案を考えてみましょう。
この方法を頭に入れておくと、ブレインストーミングでアイディア出しに詰まった時などに、アイディアをひっぱり出すことが出来ます。
数ある思考法の中でも、「モノの問題」を取り扱う時に便利な属性列挙法をご紹介しました。
希望点列挙法と欠点列挙法とは
それでは続いては、ゼネラルエレクトリック社の子会社であるホットポイント社が考案した二つの発想法「希望点列挙法」「欠点列挙法」をご紹介します。
希望点列挙法・欠点列挙法とはどんな手法?
どちらも思いついたことをどんどん列挙し、その中から重要なアイディアをピックアップする発想法です。
希望点列挙法は夢や希望を挙げて発想していく方法で、革新的なアイディアを得ることが出来ます。
欠点列挙法は欠点や問題箇所に絞って発想していく方法で、現実的な改善案を得ることが出来ます。
ではそれぞれの発想法について説明していきます。
希望点列挙法
希望点列挙法とは、商品やサービスについて「こうあってほしい」「こうなったらいいな」という希望や理想を列挙していく思考法です。
以下の手順で進めていきます。
①テーマを決める
②希望点を列挙する
③列挙された希望点の中から主なものを選ぶ
④選んだ希望点を元に解決策を考える
今までの常識や実現可能かどうかは無視して、思いついたことをどんどん書き出していきましょう。
批判的な意見は出ないようにすることがポイントです。
現実から離れて理想を考えることで、今までは考え付かなかったような新鮮なアイディアを得ることが出来るかもしれません。
既存の商品やサービスに抜本的な改善が必要な時などにも適しています。
欠点列挙法
欠点列挙法は既存の商品やサービスの欠点、問題箇所を列挙していく発想法です。
手順は希望点列挙法同じです。
①テーマを決める
②欠点を列挙する
③列挙された欠点の中から主なものを選ぶ
④選んだ欠点に対する改善策を考える
誰も気にしていないような小さなことでもいいのでどんどん書き出していきましょう。
あえてマイナス面を掘り起こすことで普段は見逃している問題点を顕在化し、解決策を模索することが出来ます。
現実的で堅実なアイディアが出やすいという特徴があります。
「希望点列挙法」「欠点列挙法」のどちらも一人で行うことが出来ますが、5~6人のグループで行うとより効果的です。異なる視点を持つ人どうしで行ったほうが、それぞれこだわるポイントが異なるのでなお良いでしょう。
専門知識のある人だけでは意外と盲点になってしまうこともあるので、専門外の人をメンバーに入れるとより多角的な発想を得ることが出来ます。
欠点列挙法で洗い出した欠点に対して希望点を出すというように、ふたつの思考法を併用するとさらに効果は倍増します。
ブレインストーミングを行う際に取り入れてみてはいかがでしょうか?
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