全社教育の実施による本質的なカイゼン人材の育成【SBSロジコム株式会社様】
SBSロジコム株式会社様は、貨物輸送、倉庫、物流センター、鉄道輸送、国際輸送、港湾運送、梱包、法人移転、館内物流などのほか、お客様の物流機能を一括して担う3PL を提供されている企業様です。
SBSロジコム株式会社様では、ドライバー職を除く約80 支店、約950名の社員を対象にした階層別教育にカイゼンベースのeラーニング(LMS)をご採用いただき、独自にカスタマイズが可能な「エンタープライズプラン」をご活用いただいております。また、自社オリジナル教材の制作では、「雇入れ時安全教育」や「労務管理・労働基準法の基礎知識」について、事例解説を動画内に盛り込み「実務上で知りたくなったらすぐに学べる」ツールとして制作を行わせていただきました。
ご支援させていただいたサービス内容
eラー二ングの提供
SBS ロジコム株式会社様は 2022 年よりカイゼンベースの e ラーニングを活用して、全社員様に向けて社内教育を実施しています。キーワードは、「すべての社員に等しく教育の機会を与える」こと。事業所ごとの受講環境の違いを把握し、現場の状況によりオンラインでの学習が難しい場合には紙資料を使って理解度テストを行う等、工夫を凝らして運用を行っています。
また、eラーニング(LMS)は、独自にカスタマイズが可能な「エンタープライズプラン」をご導入いただいています。LMSの機能をフル活用し、社員一人ひとりの進捗状況の管理はもちろん、進捗が遅れている社員に対する細やかなリマインドフォローや自社オリジナル教材の掲載等を行っています。カイゼンベースは、これらの運用の仕組みづくり等のご支援をさせていただいています。
自社オリジナル教材の制作
自社オリジナル教材の制作では、二つのテーマで制作をご支援させていただきました。一つ目は、「雇入れ時安全教育」です。これまでは入社時に先輩社員が口頭で説明を行っていました。それをeラーニング動画に置き換えることにより、確実な理解を促すことに加え、教育工数削減に繋げることが出来ています。二つ目は、「労務管理・労働基準法の基礎知識」です。事例解説を動画内に盛り込み、「実務上で知りたくなったらすぐに学べる」ツールとして制作を行っています。
ご担当者様インタビュー
全社的にeラーニングを導入した経緯を教えてください
土井氏:SBSでは、階層別研修やハラスメント研修、セキュリティ研修等を継続的に実施しており、物流事業として必要なフォークリフト技能講習や安全衛生管理者の育成にも力を入れています。しかし、5S教育を含め現場の価値を向上させるための研修がほとんど行われていない状況でしたので、5Sを推進していくとの全社方針が出たと同時に、社員自体の知識の底上げが必要だと考えました。
5Sを推進するには、ムダ取りの考え方やカイゼンの三大管理技術といわれるIE(経営工学)、QC(品質管理)、VE(価値工学)等の基礎知識が最低限必要となると考えています。一過性の研修ではなく体系立てられた教育が必要だと感じ、検討し始めたのがきっかけとなります。その中でも階層別に受講内容を設定でき、かつ初心者でも内容が分かりやすいカイゼンベースのeラーニングを見て、経営陣に許可を得て導入することにしました。
社員の5Sの理解が不十分だったとのことですが、
状況についてもう少し詳しく教えていただけますか?
土井氏:実は、現場に入って5S活動とは何をすることかと質問しても、「職場をキレイにする」や「掃除すること」と答える人が多く、仕事の付加価値を上げるためのムダ取りだと理解している人が少なかったのです。また、5S活動をすると「保管面積が減る」や「効率が下がる」というように、逆の取り組みと考えている人がいるような状況でした。
キレイにする程度の感覚であれば単なる掃除をすれば良いわけです。しかし、付加価値向上に繋がらない活動は5S活動とは言わないと我々は考えていますので、カイゼンに必要な知識を体系的に身に付けてもらいながら、5S 活動を推進していかなければならないと考えました。
集合型の研修ではなく、eラーニングという手段を選択した理由はありますか?
藤岡氏:検討を始めた頃はコロナ禍で、現地での指導や集合教育等の場も限られていました。また、拠点が全国にあるため、対象者全員が集合することや講師を各拠点に派遣するのが難しいということもあり、eラーニングでの教育に着眼しました。
世の中にたくさんのeラーニング会社がある中で、
弊社のeラーニングをお選びいただいた理由についてお聞かせください
藤岡氏:e ラーニングの教材を探していた時に、インターネット上でカイゼンベース様を見つけて動画を視聴したところ、内容も良く、アニメーションを用いている点が現場の社員にも分かりやすいと思い導入を検討しました。内容に関しても 5S に関するものはもちろん、カイゼンに関しては幅広くラインナップされており、我々が求めている内容が広くカバーされていると感じました。
専門性の高いeラーニングを使った研修も検討しましたが、楽しく専門分野が学べ「勉強のきっかけづくり」に役立ちそうだと感じたのが最終的にカイゼンベース様を選んだ決め手となりました。コンテンツや構成についても柔軟に対応できるとのことで、 我々が希望する教材であったということも大きかったですね。
元々全社員に対するeラーニング学習環境は整備されていたのですか?
土井氏:選ばれた人だけが学習するのではなく、学習する土台は全員に等しくあってほしいとの思いでe ラーニングを選びました。残念ながら全社員が受講できる環境が整っている訳ではないため、PC 環境が無い人については紙資料形式のテストを作成してから受講してもらうなど工夫をしています。
eラーニングを3年間使用して変わったと感じることはありますか?
土井氏:一番は現場に行った際に言葉が通じるようになったことですね。昔は「2Sが 全然できてないね」と言っても、2S自体が伝わらなかったのです。ただ、今はeラーニングで使っている言葉であれば現場社員も共通言語として使ってくれています。
とは言え、eラーニングですべてを吸収しようというのは難しく、自主的に勉強していかないと知識として完成しないと思っています。あくまでe ラーニングはきっかけづくりであり、きっかけを与えるのが我々の仕事だと考えています。その先は個人が学習する気があるかどうかで身に付く能力が変わってくると思っています。
藤岡氏:私はある支店に週一回訪問しているのですが、自ら気付き、自ら行動できるようになってきた方が増えているなと感じています。eラーニングをしっかりと実施しているからこそ、「今ある業務を当たり前とせず、何かを変えてみたら…」と行動するように変わってきているのだと思います。
私たちが提案したカイゼンは、いくら良いものでも現状からの変化を恐れるあまりに賛同してもらえないこともあります。仮に実行したとしても継続しないので、自らが気付きをもって変化にチャレンジすることが大切だと思っています。もし違っていればまた戻す、もしくは違うやり方に変えるということが重要だと気付いてもらえたら、カイゼンは自然と進んでいくものと考えています。
工藤氏:eラーニングの受講サポート及び進捗管理を行う中で、「ためになるコンテンツが多い」「勉強になった」等のコメントを貰うことが増えました。学習対象コース終了後に自己啓発に設定しているコンテンツを自発的に受講される方も増えています。コメントや受講結果から弊社内にeラーニングが浸透してきているんだなと感じます。
実際にeラーニングを使い始めて苦労したことや課題だと感じているところはありますか?
工藤氏:全国に支店があり、就業条件・インターネット環境・PC貸与有無等、各々環境が異なります。そのため、対象者全ての方々が受講出来るように環境を整えサポートすることに注力いたしました。支店によっては集合研修形式で動画を視聴し、個別に紙資料形式のテストを実施して理解度を測ってもらう等の方法で対応しました。
また、進捗管理をすることにより受講状況が芳しくない支店を把握し、メールや電話にて状況確認を行い、個別にサポートを実施しました。以前は管理及びサポートに時間を費やしていましたが、現在では一日15~30分程度に収まっています。
藤岡氏:受講者の中で学習に着手するタイミングが遅い人がいるのが課題です。通常業務を行いながら学習時間を捻出することにより、必須コース以外のコースにも興味をもって自己啓発につなげるように頑張ってほしいと感じます。
工藤氏:あとはeラーニングで学習した知識を生かせる環境づくりが必要だと思います。
学習した知識を発揮する場所や機会の有無が、受講者の成長や学習意欲に大きく作用すると思っています。身に付けた知識を実務で活用することで受講者及び会社の成長につながっていくような仕組みをつくりたいですね。
今後の人材教育について、やっていきたいことはありますか?
土井氏:現在のeラーニングはドライバー職を除く約80 支店、約950 名の社員を対象としていますが、支店ごとの現場環境により学習進捗の濃淡が出ています。開始三年目を迎え、eラーニングを使った研修も社員に浸透してきてはいますが、規定の学習コースだけでなく、自由に閲覧できる自己啓発コースで自分自身の能力向上につなげてほしいと考えています。
藤岡氏:去年、今年から e ラーニングを始めた方もいますし、来年以降も新入社員が入社してきますので、引き続き継続できる仕組みを構築していきたいと考えます。また、現在もSBSのオリジナルコンテンツをカイゼンベース様に作成していただいているので、どんなコンテンツができるのか楽しみにしつつ、出来上がったものをしっかりと活用していきたいと思います。
eラーニングで得た知識はきっかけであり、使ってみて初めて本当の意味で習得ができます。業務とカイゼンを別と考える人もいますが、「カイゼン」が業務のど真ん中になることが大切です。そのために、各支店のカイゼン事例の紹介や情報共有に努めることが必要だと考えています。
昨今の物流業界ではITやDXを駆使し活動を推進しているものの、まだまだ多くの人が携わる業態となっています。その中で一人でも多くの人財を育てていくこと、育成した若きメンバーがその後の中心的な指導者となって、会社を更に成長させていくことが、我々の役割でありたいと考えています。
カイゼンベース事務局から一言
インタビューを通して、SBS ロジコム株式会社様は人材教育等「人への投資」にとても積極的な会社だと感じました。 様々な受講環境がある中で、現場で働く社員一人ひとりに対して平等に学習の機会を与えるということは、決して簡単にできるものではないと思います。そして、粘り強くフォローを行っている事務局の皆さまの熱意や責任感があってこそ、順調な取り組みにつながっていることは明らかだと思います。
また、知識をインプットしてもらうだけではなく、それをアウトプットできるスキルやマインドを身に付けてもらうことにも本格的に取り組んでおられ、その本気度に大変感銘を受けました。SBSロジコム株式会社様の人材育成の取り組みがより活性化するように、カイゼンベースも引き続き全力でご支援したいと思います。
ダウンロード版インタビュー資料(PDF)はこちら
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