令和時代の人間力を育てる人財教育に挑戦
【日東電工株式会社 亀山事業所様】
日東電工株式会社様は、粘着技術や塗工技術をベースに、エレクトロニクス業界や、自動車、住宅、インフラ、環境および医療関連などの領域で、さまざまな製品を提供しグローバルに事業を展開されている企業様です。カイゼンベース株式会社では、生産部門全工場を対象に、教育体系(キャリアラダー)構築や学習教材制作、実践課題の実施支援を行わせていただいています。
教育体系構築から研修、個人学習までワンストップでご支援
日東電工株式会社 亀山事業所様へのご支援概要
日東電工株式会社(以下、Nitto) 亀山事業所様では、キャリアラダーの構築からご支援させていただき、等級基準・コンピテンシーから人財教育設計を構築していきました。(※画像はご提案資料であり、実際に作成したものとは異なります。)
Nitto様 全社コーポレートのコンピテンシーをベースとして、各階層ごとに4つの視点で検討していき、細かく要件を定義していきました。標準的な要件をただ当てはめるのではなく、内容を吟味することでNitto様にピッタリとフィットするように設計しています。
スキル要件から落とし込んだキャリアラダーと研修メニュー
研修メニューは、スキル要件をブレイクダウンし教育の深さを設計しながら落とし込みを行いました。キャリアラダーで教育の範囲設計は行いますが、範囲だけではなく「どこまで深く学習をしてもらうか」を考え、受講者の皆様が実務で活かせるスキルをどのような研修メニューで設計するのか、何度もディスカッションを繰り返しながら進めていきました。
こちらはアウトプットの一例です。複数枚に渡り、教育体系・研修メニューを設計し、学習計画まで落とし込みを行っています。現在(2023年3月)は運用フェーズに入り、実際に研修を実施しながら設計した体系・研修メニューが最適であったかを確認し、ブラッシュアップを行っています。1度作って終わりではなく、PDCA サイクルを回しながら運用を進めています。
設計した教育体系に基づき、研修を実施。インプット型のeラーニングに加えてアウトプット型のワークショップ式研修をミックスさせることにより学習の定着率を高めます。カイゼンベースのワークショップ式研修は、楽しさの中に実務との繋がりに気づく仕掛けを組み込んでいることが特徴です。実践的なケースをもとに、自分の頭で答えを出すことで、実践に使う脳と同じ部分に刺激が伝わり、学習を高めることを狙っています。
日東電工株式会社様 インタビュー
Nitto様では、教育体系の構築からご支援をさせていただき、現在(2023年3月)はリーダー教育の運用フェーズをサポートさせていただいております。今回は同社の金﨑様・田渕様に協力いただき、カイゼンベース導入当時のお話から現在の運用の状況まで様々なお話をお伺いさせていただきました。
テーブル手前 カイゼンベース:(左)指導役コンサルタント 藤澤 (右) 広報 岩﨑
カイゼンベースを導入したきっかけは?
――KB藤澤
人財教育に関して、協力パートナーをお探しになった経緯を教えてください。
――田渕氏
はじめは社内の間接業務の効率化を検討する中で、協力パートナーを探していました。たまたま動画サイトでカイゼンベースのeラーニングを見つけたのが最初の出会いとなります。社員に知ってほしいテーマがわかりやすく解説されていて、「これは良い!」と思いました。弊社では急拡大する生産規模に現場での人の成長が追い付かない状態が続いており、製造リーダーの早期育成を喫緊の課題として、新しい育成プログラムの構築に着手していた頃のことです。
――KB藤澤
2021年7月ごろに初めてお話をさせていただいたのですが、弊社のサービスについてすごく詳しくお調べいただいていて。取り組みに対して熱意をもっていらっしゃるのが印象的でした。他の会社とのご比較の中で我々を選んでいただいた理由はどういったところでしょうか?
――田渕氏
研修はできるけどeラーニングは別会社。あるいは、講師派遣はできるけれどe ラーニングの提供はできない、といった会社が多く、理想に叶うものを見つけるのが難しい中、カイゼンベースはeラーニングと研修のつながりが明確で全体の教育を設計しやすいと思いました。
――金﨑氏
導入前の弊社での班長や作業長向け製造教育では、全社コーポレートによる新任役職者向けの研修を、役職に就いてからの集合形式で行っています。ただ、中には辞令を受けて間もないこともあり、十分な自信を持てないまま班長や作業長に昇格してから新役職の集合形式の研修を受けるケースが少なくなく、全社に依存するだけの既存の取り組みのみでは不足感がございました。本来は自組織でも役職に就く前にきちんとキャリアパスをイメージできる環境が整っていて、eラーニングなど学べる環境も整備されている、さらには研修とのコンビネーションで実践的なスキルも身に着けることができる、というのが理想だと考えます。カイゼンベースではこういった一連の環境を構築できるのがとても良いと思いました。
導入の際に、重要視していたことは?
――KB藤澤
外部パートナーを導入する際に重視していたことはありますか?
――金﨑氏
大きく3つです。
- しっかりした教育体系を構築できる
- 連続性のある育成を実現できる
- 多忙な受講生が、やる気をもって、楽しく、効率よく学べる
現場教育は依然OJTに大きく依存しており、指導する上司や先輩によって教育内容がばらついてしまうことの低減が課題となっています。これらを見直すべく、全社的な共通の仕組みの提案にも取り組み始めています。
――KB岩﨑
eラーニングを今までに活用されたことはありますか?
――金﨑氏
情報セキュリティやハラスメントなど、全従業員が基本知識として持っておかなければいけない内容については、全社主導のもと実施していますが、製造にかかわるものは初めての導入でしたね。
――KB藤澤
eラーニングを実施する際に現場の方の抵抗感はありませんでしたか?
――田渕氏
導入当初は不慣れもあり、出だしは緩やかだったのですが、やってみると意外に面白いことに気付き、今では皆さん計画よりも早く取り組んでくれています。面白くわかりやすいだけではなく、理解度テストにもひっかけがあるなど、学び漏らしの低減を狙った制作側の育成意図も感じられ、ちょうど良い難易度だと感じています。
――KB藤澤
実は、eラーニングのコンテンツは、他社さんの3倍くらい時間を使って作っています。細かい接続詞やイントネーションまでチェックしていて。チームで仕事をしていると、言葉をあいまいな理解で使ってしまった結果、共通言語で話しているようで実は話がかみ合っていない、ということがよくあると思うのですが、「言葉を正しく使う」ということがきちんと身につくようにも意識をしています。
キャリアラダーの構築からeラーニング、研修まで実施をしてみて
――金﨑氏
キャリアラダーを構築することによってどのクラスでどのようなスキル習得を目指すことが必要なのかを再認識することができました。各階層ごとに求められるスキルを見える形にできたというのが本当に良かったです。これを使えば確実にキャリアパスを描けて成長を実感できるようになると思います。
最近の現場での変化として、作業長などが自職場の現場カイゼンについて工場見学の来訪者に進んで説明している姿を目にしたときに「あ、少し変わってきたのかな」と感じました。また研修では、普段は交流が少ない課どうしのメンバーと協働ワークに取り組むことで、自担当範囲だけでなく前後の工程にまで気を配れるようになってきています。
――田渕氏
きっかけがないとなかなかコミュニケーションが生まれないと思うのですが、研修を通して新たな横のつながりができたというのは嬉しい副産物でしたね。
――KB藤澤
今後取り組んでいきたいことはありますか?
――金﨑氏
リーダークラスだけでなく、一般社員レベルの教育にも取り組んでいきたいですね。
リーダーがイチから教えるのではなく、あるレベルの基礎知識まではeラーニングで学んでもらい、内容に沿って順序立てて教えていけば指導や育成も効率的となり、誰が教えてもブレやばらつきの少ない教育ができるようになると考えています。
これからの人財育成の課題は?
――金﨑氏
年配になるほど、「教育は本来向き合ってやるべき」という考えや思い入れも強く、eラーニングへの抵抗感があるのも事実です。ただ、それらだけではやり切れていない難しさもあり、新しい技術をうまく活用した柔軟な取り組みが必要と考えています。
――KB藤澤
「対面で教えるべき」とお考えの方ってすごく熱意のある方なんだと思います。個人的にはその熱意のある方が知識を教えるというのは少し勿体ないように思っていて。そこはむしろ知識学習はe ラーニングに頼ってもらって、そういった方はその後のフォローや対面でしかできないことに時間を使っていただく、というのが良く、うまくeラーニングの良いところと組み合わせて活用できると思います。
――金﨑氏
対面を大事にする、というのはちょうど先日社内でも話題になりました。
レストランチェーンを展開する、高い顧客満足度を実現されているある企業様の事例ですが、労働の種類を
- 肉体労働
- 頭脳労働
- 感情労働
の3つに分類されており、自動化できるところは徹底的に自動化させ、従業員はお客様に来ていただくためのサービス、感情労働により注力できるよう取り組んでいるそうです。
自動化を積極的に取り入れ、本来もっと向き合って取り組むべきところにより時間を割くという考え方はとても大切だと思います。
――KB藤澤
教育の場で、講師が教える際に伝えなければいけないことは、知識そのものではなく、その知識の背景や歴史、自分の経験からどのように考えるとうまく理解できるか、といったどちらかといえば感情的な要素なのです。そういったところの密度を上げると学習の速度がものすごく変わってくると思います。倍とかではなくて、10倍20倍で変わってくるような感覚です。そういう熱意のある方がいるうちにもっとeラーニングを普及できれば良いなと考えています。
人財教育にかける強い想い、熱量は一体どこから来ているか?
――金﨑氏
今我々はリーダーの育成を優先にスタートしていますが、沢山の人を動かすことが求められるリーダーにとって必要なのは、最終的には「人の心を動かせる人間力」だと思っています。
様々な知識を吸収したり、修羅場も含めた沢山の経験をしたり。それらを通して自分の軸が形成されていき、様々な力が身についていくと思います。もちろん、このプログラムだけで. 人財教育を完全カバーできるとは考えておりませんが、せめてモノづくりに必要な知識習得の十分な機会を提供したい、教育を平等に、という考え方を大切にしています。厳しい指導でも感情的にならず、本当に相手のことを思ってできる指導と、そうではない指導とは全く違います。きちんと向き合うところは向き合っていくことを今後も大切にしていきたいです。
今の自分があるのは、これまでいろいろな人に支えられ、沢山のことを経験させてもらった結果だと感じており、そうやって受け取ってきたGIFT はちゃんと循環しなければいけない思っています。
(インタビュー実施:2023年1月27日 カイゼンベース株式会社オフィスにて)
担当コンサルタントよりインタビューを終えて
トップの金﨑様の強い想いと実行リーダーの田渕様の明確な意思のもとに進んだ今回の教育体系構築のプロジェクト。様々なディスカッションをしていく中で一番感銘を受けたのは、金﨑様の「自分が過去に教育を通して受け取ったGIFTを将来を担う人財に自分も提供していきたい」という言葉です。その強い想いをしっかりと受け止め、我々も緊張感を持ってご支援をさせていただきました。
検討を進めていく際には、田渕様をはじめとした検討メンバーの皆様ともたくさんの議論をさせていただきました。時には結論がなかなか出ないこともありましたが、それを皆で1つ1つ乗り越えたことで、とても想いが詰まった、そして製造業を先駆ける教育体系・研修メニューを構築することができたと思います。
今回、特にこだわって検討を進めたのは、
①研修メニューが階層にしっかりとマッチしていること
②座学はeラーニングで合理化しつつ、ワーク型研修では楽しく学べること
③実務に活きるような研修メニューとすること
という3つです。現在、実際に研修メニューを運用し始めていますが、実施した後すぐに来年へ向けた更なるブラッシュアップを行っているなど、並々ならぬこだわりで進めています。年々レベルアップする教育体系・研修メニュー。今後が益々楽しみです。
今後の課題としては、社内講師の育成になると思いますが、我々がいなくても継続的に回っていく、そんな仕組みづくりを引き続きご支援していきたいと思います。
シニアコンサルタント
代表取締役 藤澤 俊明
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資料概要 | 事例紹介インタビュー記事 |
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