ベトナム現地工場の「製造・品質教育の土台」として、eラーニング(ベトナム語)を活用【株式会社望月プレス工業所様】

株式会社望月プレス工業所様は、プレス加工に特化し、金型の設計・制作、および製品製造、プレス周辺機器の関発を行っている企業様です。現在では自動車産業を中心に年産10億個を超える金属加工部品を供給されています。
ベトナム拠点では、約70名の現地メンバーを対象にした社員教育にカイゼンベースのeラーニング(ベトナム語版)をご採用・ご活用いただいております。
ご支援させていただいたサービス内容
eラー二ングの提供
株式会社望月プレス工業所様は、ベトナム現地工場にてカイゼンベースの e ラーニングを活用して、現地のベトナム人社員様に向けて社内教育を実施しています。キーワードは、「製造・品質教育の土台をつくる」こと。厳しい品質基準やコンプライアンスの高さが求められる環境で、全社員に概念や用語に対する共通理解・共通言語を醸成するための工夫を凝らして運用を行っています。
また、eラーニング(LMS)は、普段パソコンを使わないメンバーでも受講が可能な「集合学習プラン」をご導入いただいています。日本本社では既にeラーニングをご活用いただいており、今回ベトナム語版が新たに完成したことから、MOCHIZUKI PRESS VIETNAM CO.,LTD.でも追加でご導入いただきました。
今回は導入を主導いただいた望月甲有氏にインタビューをさせていただきました。
企業・拠点プロフィール
海外拠点の概要と、望月様の役割を教えてください。
望月氏:海外拠点はベトナムの1カ国のみで、約70名が勤務しています。私は日本で生産責任者を務める立場から、ベトナム工場も統括しています。現地には日本人駐在が2名いますが、現地メンバーはベトナム人が中心です。 いわゆる製造工場ですので、組織は製造(プレス)/品質保証/輸出入/メンテナンス(設備・金型管理)という構成です。ものづくり系以外にも、経理・人事総務などの事務系部門も併設しています。
ベトナム拠点の特徴と求められる水準
ベトナム工場にはどのような特徴がありますか?
望月氏:当社は保税企業のため、輸入・輸出に関税の特例がある代わりに、投入(材料)と産出(製品)、スクラップなどについて、重量や数量の厳密な管理が求められています。問題が発生すると、罰則や機会損失のリスクにつながるため、現場管理・運用の精密さ、コンプライアンスの高さが求められます。
製造環境や品質面ではいかがでしょうか?
望月氏:特に最新のBEV向けなど、扱う製品・用途によってはほこり・繊維の付着防止など、クリーンルーム級の厳しい品質管理が求められるケースも少なくありません。ベトナム工場は新設で、環境面を意識して設計しており、一般的なプレス工場よりかなり高水準だと考えています。監査訪問でも評価をいただいています。
現地の人柄・文化とマネジメント上のポイント
ベトナムの方々の人柄や職場文化について、どのように感じていますか?
望月氏:ベトナム人はとても明るくイベント好きで、飲み会を楽しむ方が多く、社員旅行を心待ちにしています。家族や家庭を大切にする文化も強く、当社では家族同伴での社員旅行を企画することもあります。
その他、ベトナム人の生活も大きく変わってきています。少し前までは自転車に乗る人も多かったですが、最近は自転車はほとんど見る機会がなく、みんな電動バイクに乗っています。スマホに関しても、日本より普及率が高いのではないかと思うほどです。
コミュニケーションや教育で感じる課題はありますか?
望月氏:やはり言葉の壁は大きいです。マネージャークラスでも受け取り方に差が出たり、ニュアンスがずれることがあります。私自身が流暢にベトナム語を話せるわけではないため、その橋渡しをどう設計するかが難所です。
これまでお伝えしてきたような背景も含め、品質リスクには日本以上に注意をしなければならない状況だと考えています。
カイゼンベース導入の背景
なぜカイゼンベースを採用したのですか?
望月氏:現場の基礎教育を行うこと、概念や用語に対する共通理解・共通言語を醸成するためです。例えば「カンバン」ひとつとっても、基礎教育がなければその理解は人によってバラバラになってしまいます。日本ではのカイゼンベースのeラーニングを既に導入しており、下地がありました。今回ベトナム語版が使えるようになったと聞き、現地の責任者を中心に教育・運用しています。
現地での外部教育機会は多いのでしょうか?
望月氏:都市部(ハノイ/ホーチミン)中心で、移動負担が大きく時間が取りにくい実情があります。そのためWebを使える教材の価値が高いと考えています。そもそもWebで教育の仕組みが整っていて、現地の言葉を使っていて、製造業に必要なコンテンツとクオリティを担保しているのは、カイゼンベース以外に存在しないと思います。
教育で重視する領域はありますか?
望月氏:製造(ものづくり)の考え方をベースにQCDEのすべてにおいてバランスが取れ、お客様に喜んでもらえる製品づくりができる集団になることです。特に「E(環境)」の領域は、ベトナムではまだまだこれからの部分が大きいですが、必ず必要な視点になっていくと考えています。
eラーニングの使い方(運用設計)
導入における課題はありますか?
望月氏:個々人の仕事や教育に対するモチベーションは様々なので、消極的な方に対しても最低限やってもらうための工夫は必要だと考えています。
また製造業はどこもそうだと思いますが、社員教育を行うということは、同時に現場(生産)を止めてしまうことにもなるので、マネジメント側の強い覚悟が必要です。当社は日本本社での導入がきっかけでしたが、上記のようなジレンマを抱えつつ、特に導入初期は私自身が旗振り役となって前に進めました。
現場でどのように運用していますか?
望月氏:責任者が推進してくれています。日本語版での視聴経験があり理解力もあるため、ベトナム語版への橋渡し役になっています。
今回は集合型研修をメインに採用しましたので、業務時間中に集まって受講してもらいました。理解度テストは別途提出してもらうこともありました。
現地からの反応と手応え
コンテンツについて現地の反応はありますか?
望月氏:まずベトナム語のイントネーションなど、言語面は自然で全く問題ないと聞いています。内容については、今回導入したテーマがIE(インダストリアル・エンジニアリング)であるため、直接関係する部署では好反応です。一方で、ジョブ型文化ということも相まって直接的な関与がない部署では、自分事化してもらうための課題が残っていると考えます。カイゼンベースのベトナム語版は始まったばかりですが、日本語版同様に今後様々なテーマに広げていただくことに期待しています。
現地マネージャーからのコメント
HM Tuan氏、NV Thanh氏:カイゼン研修に参加して、多くの有益で実践的なことを学ぶことができました。研修では、カイゼン(継続的改善)の理念をより深く理解できただけでなく、日々の業務に応用できる具体的な方法も身につけることができました。講義やディスカッションを通じて、小さな改善でも継続して行えば大きく、そして持続的な変化につながるということを実感しました。
また、問題を論理的に捉え、根本原因を見つけ出し、効果的な解決策を導く方法も学びました。今回の経験は非常に有意義であり、自分自身の成長だけでなく、会社の発展にも貢献できるよう常に改善を続けていきたいという意欲が高まりました。
今後の展望
ベトナム拠点に期待する姿は?
望月氏:「日本の工場よりもしっかりしている」と言われるレベルまで自律度・技術力を高めたいです。安くて品質が良く、安全な製品を常に供給できる自律型の組織を目指しています。
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