カイゼンベース / KAIZEN BASE

ダブルチェックは効果なし?!|再発防止や本質的な解決につなげるための考え方を解説

カイゼンベース運営事務局

カイゼンベース運営事務局

メディア運営、メルマガ配信等

2015年に活動をスタートしたカイゼンベース。世界一のカイゼン情報メディアを目指し、日々コンテンツ・記事の拡充やブラッシュアップを行なっています。

プロフィールはこちら

「再発防止策は、とりあえずダブルチェック…」、「ダブルチェックしても、なんどもミスが起きている…」
本記事では、なぜダブルチェックが効果を発揮しないのかを解説し、本質的な改善につなげるための考え方を解説します。
ダブルチェックが増えて、どんどん仕事が忙しくなっている方は、是非参考にしてください。

 

このコラムについて
フルバージョンはYouTubeで公開されています。ぜひご覧ください!

ダブルチェックは効果があるのか

ダブルチェックってなんだかんだ言っても、少しは効果があるのではないでしょうか!
5回は?
では、トリプルチェック、4回、5回チェックはより効果的になるでしょうか?笑

私の意見としては、基本的に「意味がないと思った方が良い」になります。今日はその理由から解説していきます。

ダブルチェックは効果がない理由

ここに、「チェックを重ねれば重ねるほど、エラーは減るか」というある実験の数字を用意しました。

青色の理論値の通りになるかと思いきや、赤色の実際値は3回目以降、数を重ねるたびに数字が下がってしまっています。なぜこうなってしまうのでしょうか。

5回実験
おかしいです…!複数人でチェックしてなぜ精度が落ちるのでしょうか…?
リンゲルマン
この現象をうまく説明できるのが「リンゲルマン効果(社会的手抜き)」です。

この実験では、綱引きのパフォーマンスを対象にしていて、1人だけで綱を引く時のパフォーマンスを「100」とすると、8人で綱を引く時の1人当たりのパフォーマンスはなんと「50」まで下がります。

「手抜き」しすぎですね…!
しかもそれは「自分では気づかないうちにそうなっている」という結果が出ています。ダブルチェックやトリプルチェックでも、前工程・後工程に自分以外のチェックする人がいることで、心のどこかで安心してしまい結果的に漏れが発生してしまうということです。

だから、このような結果がある以上ダブルチェックは「本質的な対策にはならない」というのが私の意見です。

落とし穴

スイスチーズモデル

工場の現場などで不良品が出た際の対策として、ダブルチェックでは不十分かもしれませんね。
スイスチーズ
現場や品質保証の方には、スイスチーズモデルで説明をさせていただくことも多いです。

ランダムに穴が開く(エラーや漏れが起きる)チーズ1枚1枚がチェックの壁だとして、壁の枚数をたくさん増やしても、穴がある限りいつか必ず貫通してしまいます。この可能性を限りなく低くするには、壁の枚数を増やすのではなく、1つ1つの穴を小さくすることを目指すべきだということです。

解決策は「なぜなぜ分析」

1つ1つの穴を小さくする方法が、「なぜなぜ分析」ですね!
その通りです。なぜなぜ分析でしっかりと本質を対策することによって「自工程保障」、「自工程完結」ができるようになります。

これはトヨタ生産方式でいう「後工程はお客様」につながっており、すべての工程でこの考え方を連鎖させることで、エンドユーザーのお客様に悪いものが流失しないようにすることができます。

後工程は

まとめ

まとめ
ダブルチェックは「最終検査でチェックしてね」という考え方に近いため、上記のような方針とは真逆の対策になってしまうのです。

解決策を出すときに、「ダブルチェックではない方法で粘る」姿勢がとても大事だと考えています。

 

このコラムについて
YouTubeではおまけトークも公開されています。ぜひご覧ください。またチャンネル登録もよろしくお願いします!

資料請求はこちらから


サービス紹介資料・価格表を無料でダウンロードできます。お気軽にお問い合わせください。

関連コラム

ページトップに戻る