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“少人化”と“省人化”の違いと使い分け|省力化から進める生産性向上の実践ポイントを解説

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「省人化と少人化ってなに?意味は違うの?」、「どうやって実践すればいいの?」
本記事は、現場で混同されがちな「省力化/省人化/少人化」の違いを整理し、どこから着手し、どう使い分けるかをトヨタ生産方式での考え方に沿って解説します。

 

このコラムについて
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「省力化・省人化・少人化」の定義

今日のテーマは「少人化」です。「省人化」や「省力化」など、似たような言葉がありますが意味が異なりますか?
サイクルタイム
カイゼンでは「省力化・省人化・少人化」という似た言葉を使いますが、トヨタ生産方式ではそれぞれの意味を明確に使い分けています。

今日はその違いを、製造業における10人のラインを例に解説します。このラインでは、一つのものを作り終える時間(サイクルタイム)が1分だと仮定します。

「省力化」とは

まずは「省力化(しょうりょくか)」についてです。「省力化」とは、機械の導入や治工具など工夫によって、サイクルタイムを短くしたり、作業を楽にしたりすることを指します。

この例でいうと、一つのものを作り終えるのに60秒かかっていたものを30秒でできるようにすること等が「省力化」です。

省力化

「省人化」とは

省人化
次に「省人化(しょうじんか)」についてです。「省人化」とは、文字通り人数が1人少なくてもよい状態をつくることを指します。

この例でいうと、10人のラインが9人でも回るようにすることが「省人化」です。

「少人化」とは

最後は「少人化」です。「少人化」には2つの呼び方があり、「しょうにんか」や「目のないしょうじんか」と呼びます。

製造業において、生産量は受注量などに応じて変動するという前提がありますが、「少人化」とは、需要の変動に応じて最も少ない人数で回せるようにすることを指します。「定員制からの脱却」という言い方をすることもあります。

少人化

「少人化・省人化・省力化」を推進するメリット

なるほど~!これまで「省力化・省人化・少人化」の違いをあまり意識したことがなかったです。
メリット
特に「省人化」と「少人化」を明確に説明できる人は多くありません。大事な考え方ですのでこの機会に覚えておきましょう。

今回の例でいうと、10人のラインを5人に「少人化」できると、5人をさらに価値のある仕事に配置できるわけですから、「省力化・省人化・少人化」を進めることによって生産性は大きく向上します。

「少人化」を実践するポイント

とはいえ、「少人化」を実践するのは言うは易く行うは難しです。まずは「省力化」から地道に推進する考え方が重要です。現場を工夫することで効率を高め、きちんと1人分が省けるようになるまで「省人化」を進めましょう。そうした活動が後の「少人化」といった大きな視野での生産性向上につながります。

最低必要人員など設備のライン構成上、生産量がたとえ50%に減ったとしても、10人のラインを5人で回すことはそもそもできないといったことだってあります。そのような場合でも、事前に標準作業をしっかり整えておくことで、7~8人で回るようにするといった工夫を行うことは十分可能です。

まずは

まとめ

よくわかりました!
まとめ
「少人化」を進めるためのポイントをまとめます。

まずは省力化で作業を安定・短縮させます。省力化は実際に「一人減っても回る」ところまで進め、省人化することが重要です。その後は標準作業を整えるなどの工夫を行い、需要に応じた“最少人数”で回るよう少人化を推進します——この順で進めると、無理のない生産性向上につながります。

 

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