PDPC(プロセス決定計画図)とは?(新QC7つ道具の手法解説⑥)
PDPC法とは
PDPC法とはプロセス決定計画図(Process Decision Program Chart)のことで、ゴールまでに想定される障害とその回避方法を図示することで、事前に障害を回避するための策を講じておくための手法です。新QC7つ道具のうちの1です。
事前に障害を想定することで、回避策を前もって検討することができ、ゴールに向けた最適なプロセスを決定することができます。
新QC7つ道具に関しては、下記ページで詳細を解説しています。
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記号の定義の確認
PDPCを作成するにあたり、記号の定義を統一しておきましょう。
記号の例を挙げていきます。
まずは、出発点です。PDPCを作成する目的となるものや問題のきっかけです。
次はゴールです。目的に対し、最終的なゴールとなるものです。
次は、実施事項です。ゴールに向かって行うことです。
次は、結果です。何かを行った結果として起こる状況です。
最後に、分岐点です。うまくいった状態とうまくいかなかった状態に分かれるものです。
それぞれの使い方をPDPCの作成を行いながら理解していきましょう。
付箋を用いてPDPCを作成する場合、付箋の色でこれらを区別するとわかりやすいですね。
PDPCの作成手順
PDPCは、以下の6STEPで作成・活用を進めていきます。
STEP1.目的を決める
STEP2.出発点とゴールを決める
STEP3.大まかなルートを作成する
STEP4.障害が想定されるポイントを検討する
STEP5.障害への対策案を検討する
STEP6.作成したPDPCを確認し完成させる
2種類のPDPC
PDPCには「強制連結型PDPC」と「逐次展開型PDPC」の2種類があります。
強制連結型PDPCは、ルートをゴールまで絶対に結びつけるPDPCで、手順がほぼ決まっている場合に用いられます。
これまで紹介してきたものは強制連結型PDPCです。
一方、逐次展開型PDPCは、ルートが途中で途切れてもOKなPDPCで、何か1つでもゴールに到達できるルートは無いか、可能性を広げて探る場合に用いられます。
逐次展開型PDPCについても概要を確認しましょう。
逐次展開型PDPCの特徴
例えば、逐次展開型PDPCは改善案の検討に用いることができます。
「最適な高さで作業ができるようになる」というゴールに向かって
「作業台の高さを変えられるようにする」「高さの異なる複数の作業台を用意する」「作業台の周りに踏み台を用意する」という改善案を挙げました。
このように、考えられる可能性を順番に広げていくPDPCが逐次展開型PDPCです。
これらに対してそれぞれの障害を想定しルートを作っていくのですが、改善案の障害を想定していくうちに、障害の回避策が生まれずルートが途切れてしまうことがあります。
この場合には全てのルートを目的に到達させる必要はなく、どこか1つのルートがゴールに到達できれば目的を達成できることとなります。
「ルートが途中で途切れてもOK」とはどういうことか理解いただけたのではないでしょうか。
このように、逐次展開型PDPCを用いると様々な可能性の中から目的を達成できるルートを見つけ出すことができます。
また、これに似た使い方として、問題が発生したときに最悪のルートをたどるとどのようなリスクにつながるかを想定し、その防止策を検討するといった使い方もあります。
途中でリスクを回避できればそこでルートを途切れさせます。ゴールにたどり着くことを狙うのではなく、ルートを途切れさせることを狙う使い方です。
どの使い方をする場合であっても、実際に作図することで新たな気付きが生まれ、頭の中で考える以上に精度の高い想定を行うことができます。
うまく活用していきましょう。
PDPC作成のポイント
PDPCを作成する際には、うまくいかなかった場合はどうなるか、どこで失敗してしまうかを考えることになります。
うまくいかない場合のことを考えるのはどうしても抵抗を感じてしまうものです。
しかし、どんな障害でも「全員で考えることで打開策は生まれてくる」とポジティブに取り組みましょう。
リーダーがアイデアの出やすい明るい雰囲気を作ることも重要となります。
PDPCを作成してから計画を開始しよう
計画を開始する前にPDPCを作る時間を惜しんでしまったせいで、問題への対応が後手後手に回ってしまい、余計に時間が掛かってしまうことも珍しくありません。
PDPCを作成することで、事前に障害を予測し先手を打って対策を行うことができ、結果的に早く目的を達成できる場合もあります。
作る時間を惜しまず、まずはPDPCを作成し計画を開始するようにしましょう。
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