IoTツール(カイゼンスイッチ)を活用した現場改善のススメ

目次


製造現場におけるIoTツールのいま
IoTとは
IoTという言葉が登場してから既に何年も月日が経ちます。
IoTとは、Internet of Thingの略で、モノのインターネットと訳されます。
モノがインターネットに繋がることで、そのモノの状態に関する様々な情報を収集して可視化することができるようになります。それにより、現場で起きている様々な問題の解決が容易になります。
例えば、これまでは人の作業や機械の稼働データを取得しようとすると、各個人が時間計測を行い、日報等に手書きで記入し、管理者が集計するといったようなことが当たり前でした。一言で日報の記入や集計といっても、それには膨大な工数が掛かかります。1日1人10分と仮定しても、10人いたら100分、100人いたら1000分(約17時間)も掛かります。管理者の集計作業も1日1時間以上掛けて行っているケースも少なくなく、「何のために時間集計を行っているのか」本来の目的を忘れて、データを取得すること自体が目的になっていることも多々あるのではないでしょうか。
IoTツールを使うと、これらの調査のための工数を無くし、本来掛けるべき原因分析や対策検討等に時間を使うことができるようになります。設置するだけで何時間も掛けていた工数が削減される、非常に有効なツールなのです。
生産現場での魔法の杖のように表現されることも多いIoT。一方で現在の普及状況を見てみると、魔法の杖とは言い難い実態が見えてきます。実際のところは、以前予想されていたほど普及していないのも実情です。
なぜでしょうか?
いくつか理由が考えられます。確認してみましょう。
IoTツール活用に関する課題
コスト面での課題
1つ目は、コスト面での課題です。
IoTを導入しようと検討をすると、「工場丸ごとIoT」のように、大きなスケールでの話になりがちです。もちろん、IoTに積極的に投資ができる企業であれば、大きなスケールで導入していくことは非常に有効です。一方、中小企業だけではなく大手企業でも、まだまだデジタル化が進んでいない企業では、一気に「丸ごとIoT」というところまで舵を切ることは費用面において簡単ではありません。小さく始めたいけれど、いつの間にか大きな話になり、結局話が頓挫してしまうというケースが多くの企業で発生していることは、考慮すべき事実です。
人材のスキルに関する課題
2つ目は、IoTツールを使う人材のスキルに関する課題です。
IoTなどのデジタルツールは、ただ設置するだけでは何も意味を成しません。何かの課題があり、それを解決するという目的のもとにツールを設置します。そして、データを取得し、取得したデータを分析・考察し、アクションに結び付けることで初めて、効果を生み出すことができます。しかし、実際このようにアクションまで結びつけるための考動が出来る人材は多くありません。とりあえずデータを収集し、「で、何をしたら良いんですか?」となってしまうことが少なくないのです。IoTツールは問題を特定したり、問題解決をするための手段の1つです。データの収集自体が目的になっては全く意味がありませんよね(ただ、そうなってしまっている企業は枚挙にいとまがありません)。
IoTツールの活用ステップ
では、どのように導入を進めていったらよいのでしょうか?
我々は、初期フェーズとステップアップフェーズの2つに分けて進めることを推奨しています。
初期フェーズでのIoTツールの活用
初期フェーズでは、簡易的なIoTツールを活用し、まずはたくさんのIoT現場改善に触れる取り組みを行うことを推奨します。IoTツールというものはどういうものなのか、実際に簡易的なツールを使ってみることで、特徴やデータの取り扱いの視点を身に付けます。
・どのような問題のために、どんなデータを取るのか
・そのために、どんな場所にどんなIoTツールを取り付けるのか
・取得したデータをどのように加工し分析をするのか
こういった基本的なことをまずは体感し、IoTに慣れ親しんでいきます。
ステップアップフェーズでのIoTツールの活用
その後は、企業の状況に応じて、
・工場を丸ごとIoT化する
・特定のラインに稼働センサーを取り付ける
・引き続き必要なタイミングで簡易IoTツールを設置して活用する
等の検討を行っていきます。
初期段階でIoTに触れた現場改善を行っていると、どんな場所に設置すべきか検討できる力が付きます。
それにより、やみくもにツールを設置してしまうというムダが発生しにくくなります。より合理的で有効性の高いIoT化が可能になるのです。
とりあえず何でもIoT化はマイナスの取り組みにもなりうる
何も考えずに「とりあえず何でもIoT化」を行うことはむしろマイナスの効果になってしまうことがあります。安易なデータ取得、必要以上のデータ取得は、本来必要のないデータ編集工数を生むことがあります。誰も使わないデータを毎日何時間も使って加工することは、ムダの1つです。効率化をするはずだったのに、ムダな仕事を生み出し、逆に効率を落とすことになっては、本当に意味がないですよね。
それではここからは、カイゼンベースがおススメするIoTツールについて紹介していきます。


カンタン設置で現場のロスを見える化するカイゼンスイッチ
初期の段階でおススメのIoTツールは、パナソニック株式会社が開発を進めているカイゼンスイッチです。カイゼンスイッチは、カンタン設置、カンタン操作で現場の作業ロスや稼働ロスを見える化するツールです。
カイゼンスイッチの紹介
それでは、カイゼンスイッチの特徴について紹介していきます。
製造現場でカンタン見える化IoT
カイゼンスイッチは、製造現場で作業ロスや稼働ロスをカンタンに見える化するIoTツールです。IoT導入には、まずは人・装置の工数を自動測定することから始めていくことがおススメです!
難しいことは一切不要。気になる工程にカンタンに設置でき、すぐに利用を開始することが可能です。
作業や稼働の中に潜むムダ・ムラ・ムリを解決してきましょう!


カイゼンスイッチの活用ステップ
サイクルタイムの比較により、工程解析を行うことで、ボトルネック工程が明らかになったり、大きなバラツキを発見することができます。

稼働時間の割合、非稼働時間の割合から、正味稼働率が自動で算出されます。
「予想していたよりも正味稼働率が低かった」「現実を知ることが出来て良かった」という声も多数挙がっています!

正しいデータと正しい分析により、すぐに改善ポイントを発見することができます。
カイゼンスイッチは、既にパナソニックさんの各工場でたくさん活用されています!

どのくらい手が止まっているのか、どのくらい時間が掛かっているのか、自動収集されたデータから簡単に分析が可能です。

カイゼンスイッチを使ってムリなくIoTカイゼン!
作業・治具・装置・自動機の情報の自動取得には、カンタン後付けのカイゼンスイッチ!
IoTの第一歩として、そして現場改善における必須ツールとして、カイゼンスイッチを是非活用してみましょう!




カイゼンスイッチを活用したカイゼン事例
以上で紹介したカイゼンスイッチは、パナソニック社内の製造現場で実際に活用されています。
製造現場のメンバーが、お客様の期待に応えようと、作業や稼働の中に潜むムダ・ムラ・ムリを発見して改善し、生産能率を向上した事例をダウンロード資料としてまとめました。
活動のプロセスや課題解決のアプローチなど、IoTツール活用の参考事例として、ご活用頂けますと幸いです。


カイゼンスイッチのリーフレットと詳しい改善事例のダウンロードはこちらから
カイゼンスイッチのリーフレットと詳しい改善事例資料(PDF)は下記のフォームからお申込みが可能です。
自動返信メールよりダウンロードリンクが送信されます。




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